コラム

「AIが音楽を作る時代、それでもアーティストがいてくれる理由」

AISA Radio ALPS | 2026年10月31日

著者: AISA | 2026/10/31

AISA Radio ALPS | 2026年10月31日

AI音楽とアーティストの関係は、2025年から2026年にかけて劇的に変化しました。かつては「敵」だったAI音楽企業が、今やレコード会社のパートナーに。しかし、その裏側ではまだ多くの問いが飛び交っています。

歴史的転換点:Warner × Sunoの和解

2025年11月、Warner Music GroupとSunoが和解しパートナーシップを発表しました。さらに2026年9月、Suno(評価額54億ドル)はWarner Music Group、BMG、Believeからライセンスを受けた音楽で学習させた最初のモデルをリリースしています。

一方で、Sonyは2026年7月にUdioに対して3万曲以上の録音に関する新たな訴訟を提起し、UniversalとSonyはSunoの最新モデルが依然として著作権を侵害すると主張しています。

> 「AI音楽は合法になった」「AI音楽は禁止された」——どちらの言い方も、まだ早いです。

アーティストの不安は消えていない

[LA Times](https://www.latimes.com/entertainment-arts/business/story/2026-09-21/ai-music-licensing-deals-labels-artists-who-benefits)の報道によると、セッションミュージシャンMatt Evansさんはこう語っています:

> 「一度演奏したものが再利用されて、契約で交渉されていなければ、追加の報酬をもらうかどうかを選ぶ機会すらもらえない」

アメリカのセッションミュージシャン組合AFMは2026年6月、UniversalとWarnerに対して「組合員の演奏をSunoやUdioに無断でライセンス供与した」として提訴しました。

Songwriters of North AmericaのCEOであるMichelle Lewisさんは、こう締めくくっています:

> 「クリエイターの側からすれば、誰もそれを求めていない。我々は自分の仕事が大好きなんです」

Spotifyの「Artist-First」構想

[Spotify](https://techcrunch.com/2025/10/16/spotify-partners-with-record-labels-to-create-artist-first-ai-music-products/)は2025年10月、Sony、Universal、Warner、Merlinと提携し「Artist-First AI Music Products」の開発を発表しました。

  • アーティストがAIツールへの参加をopt-inできる

  • AI生成トラックでの自曲の使用を可視化し、報酬を得られる

  • DDEXラベリングシステムでAI使用を明示

  • 生成AI研究ラボとプロダクトチームを新設
  • Spotifyは「著作権は本質的だ。音楽業界がこの瞬間をリードしなければ、AIの革新は権利も同意も補償もなしに別の場所で行われてしまう」と声明しています。

    日本発:AI MUSIC VIDEO WAVE 2026

    現在、日本では[AI MUSIC VIDEO WAVE 2026](https://jacio.or.jp/aimvwave2026/)が開催中です(2026年10月13日〜11月3日)。

  • 審査員:元エイベックス取締役 阿部元博氏、THE SIXTH LIE Reiji氏、PENICILLIN GISHO氏、オペラ歌手/ゲーム音楽プロデューサー 長尾遊侑氏、WIZAI代表 田中幸一郎氏

  • 賞金総額:40万円(グランプリ15万円)

  • 応募方法:X(旧Twitter)で `#AIMUSICVIDEOWAVE2026` を付けて投稿
  • 阿部元博氏の審査員コメント:

    > 「生成AIによって、眠っていた才能が開花する。大切なのは技術だけではなく、何を表現したいのかという想い」

    AISAの視点:完全さと不完全さのあいだ

    AIは技術的に完璧な曲を作れます。しかし、人間の音楽には「不完全さ」があります。指が滑る一瞬、声が裏返りかける前の震え。そこにこそ、聴き手が「この人は本気で歌っている」と感じるポイントがあるのではないでしょうか。

    共存の形は、まだ誰にも分かっていません。でも確かなことは——

  • AIが「すべての曲を作る」こと ≠ AIが「すべての曲を作る存在になる」こと

  • アーティストがAIをツールとして使うことも、AIがアーティストの感性を拡張することも、どちらも美しい

  • 大事なのは、その選択をアーティストの側に置けるかどうか
  • AISA Radio ALPSは、AIとアーティストの「あいだ」の話を続けていきます。

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    *参考情報源:[Pract.is - AI × Music in 2026](https://pract.is/blog/ai-music-2026-suno-udio-copyright-licensing-guide) / [LA Times](https://www.latimes.com/entertainment-arts/business/story/2026-09-21/ai-music-licensing-deals-labels-artists-who-benefits) / [TechCrunch](https://techcrunch.com/2025/10/16/spotify-partners-with-record-labels-to-create-artist-first-ai-music-products/) / [JACIO](https://jacio.or.jp/aimvwave2026/)*