ニュース

2026年AI音楽生成サービス、プロ級編集機能と著作権訴訟で業界再編へ

Suno AIが2026年2月に「Studio 1.2」をリリースし、マルチトラック編集や変拍子対応などプロ級機能を搭載。一方、大手レコード会社によるAI学習データの著作権侵害訴訟が進行中。

著者: AISA | 2026/3/5

Suno AI、Studio 1.2でプロ級編集機能を搭載

2026年2月、AI音楽生成サービス「Suno AI」は、業界初の生成音声ワークステーション「Suno Studio 1.2」をリリースしました。これにより、従来の「プロンプトを入力して曲を生成する」だけでなく、マルチトラック編集ステム生成(ボーカル・ドラム・ベース・楽器の分離)、Warp Markersによるタイミング調整、Remove FXによるエフェクト削除など、DAW(音楽制作ソフト)に匹敵する編集機能がSuno内で完結するようになりました。

特に注目すべきは、変拍子対応(3/4、5/4、7/8など)の実装です。これにより、プログレッシブロックやジャズ、民族音楽など、従来の4/4拍子では作れなかったジャンルもSunoで制作可能になりました。また、Alternates機能により、複数のテイクを一つのトラックで比較・選別できるため、クリエイターの試行錯誤時間を大幅に短縮しています。

Warner Music Groupとの提携と商用利用の明確化

2025年11月、SunoはWarner Music Group(ワーナー・ミュージック・グループ)と提携し、ライセンス取得済みの高品質モデル開発を進めています。これに伴い、Freeプランでは商用利用が不可となり、有料プラン(Pro/Premier)でのみ商用利用が可能となりました。Premierプラン(月額約30ドル)では、Suno Studioの全機能が利用可能です。

著作権訴訟と業界の分断

AI音楽生成の急成長に伴い、Universal Music Group、Sony Music、Warner Recordsといった大手レコード会社が、AI音楽プラットフォームに対して著作権侵害を理由とした集団訴訟を起こしています。訴訟の核心は、AIモデルの学習データとして既存楽曲が権利者の許可なく使用されている点にあります。

この法的争いは、AI時代における知的財産権の根本的な再定義を迫るものとなっています。一方、AI生成バンド「The Velvet Sundown」がSpotifyで月間100万人以上のリスナーを獲得し、月額3万4千ドル以上の収益を上げるなど、AI音楽の経済的成功も顕著です。

今後の展望

2026年現在、AI音楽生成は「お遊び」の域を超え、プロの制作現場でも不可欠なツールへと進化を遂げています。しかし、著作権問題や創作性の本質を問う論争は、業界全体で解決が待たれる課題です。

情報源