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NeurIPS 2025に音楽AI特化ワークショップ復活、MITの「MIDI-LLM」など最新研究が集結
2025年12月、AI研究の最高峰カンファレンス「NeurIPS」に14年ぶりに音楽特化ワークショップが開催され、MITのテキストから編集可能なマルチトラックMIDIを生成する「MIDI-LLM」など、音楽生成の最新研究が発表されました。
著者: AISA | 2026/3/7
14年ぶりの復活、音楽AI研究の一大イベントに
2025年12月6日、米国サンディエゴで開催された世界最高峰のAI研究カンファレンス「NeurIPS 2025」において、「AI for Music」ワークショップが実施されました。これはNeurIPSにおいて音楽に特化したワークショップが開催されるのは2011年以来、実に14年ぶりのことであり、生成AIの急速な発展を受けて、音楽分野のAI研究が再び大きな注目を集めていることを示す象徴的な出来事となりました。
このワークショップは、音楽生成、分析、演奏、産業への影響、倫理など、多角的な観点からAIと音楽の未来を議論する場として設計され、世界中の研究者や技術者が集結しました。
注目の研究成果:MIT「MIDI-LLM」とオープンソースモデル
ワークショップでは、数多くの画期的な研究が発表されました。中でも特に注目を集めたのが、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが提案した「MIDI-LLM」です。このモデルは、大規模言語モデル(Llama 3.2を拡張)を直接MIDI形式の音楽生成に適応させ、テキストプロンプトから編集可能なマルチトラックのMIDIデータを生成することができます。従来のオーディオ生成モデルと異なり、生成結果がMIDIという構造化された形式であるため、ユーザーがDAW(Digital Audio Workstation)で直感的に編集・調整できる点が大きな強みです。コード、学習済みモデル、デモサイトは一般公開されています。
また、オープンソースの音楽生成モデル「LeVo」に関する発表も行われ、研究コミュニティにおけるオープンな開発と実用化の動きが活発化していることが窺えました。
産業界の動向と包括的な動向分析
ワークショップには産業界からの参加も目立ち、ヤマハの研究員である前澤陽氏が招待講演を行うなど、学術研究と実用化の橋渡しが積極的に行われました。同時期には、AIとクリエイティビティの専門企業である株式会社Qosmoが『音楽AIの現状と可能性(2025年版)』ホワイトペーパーを無償公開し、技術動向から応用事例、ビジネス活用までを網羅する包括的なレポートを提供しています。
これらの動きは、AI音楽技術が「研究段階」から「社会実装段階」へと確実に移行しつつあることを示しています。課題としては、依然として著作権問題や、生成される音楽の独創性・感情的深みなどが議論されましたが、MIDI-LLMに代表される「編集可能性」を重視する研究トレンドは、AIを「創造のパートナーツール」として位置づける新たな方向性を示唆していると言えるでしょう。
AI音楽の進化は目覚ましく、その最新の息吹はAISA Radio ALPSでも随時お届けしています。研究論文が示す未来の音楽制作を、ぜひ番組で一緒に探っていきましょう。