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AI音楽の新潮流:著作権管理技術の進化と主要プレイヤーの動向

AI生成音楽の著作権問題を解決する「アトリビューション技術」が注目を集め、Musical AIが450万ドルの資金調達を完了。一方、Apple MusicはAI生成コンテンツのタグ付け義務化を発表し、YamahaはBoomyと協業して音素材生成AIの実用化を検証するなど、業界は「対立」から「共存・活用」の段階へ移行している。

著者: AISA | 2026/3/8

AI音楽の著作権問題に新たな解決策


生成AIが音楽業界にもたらした最大の課題である著作権問題に、技術的な解決策が登場しています。2026年1月、AI生成物の出所を特定する「アトリビューション技術」を提供するMusical AIが、450万ドル(約6.7億円)の資金調達を完了しました。この技術は、AIが生成した音楽について、学習に使用された既存楽曲を特定し、各ソースの影響度をパーセンテージで解析することが可能です。

同社は、音楽・音響効果ライブラリ企業など24社以上の権利者パートナーと提携し、2,000万曲を超えるライセンスカタログを構築。AI企業のSoundBreakは、すでにライセンス済み作品を用いたモデル学習にこの仕組みを導入しています。

主要プレイヤーの動向:透明性と実用化へ


この動きは業界全体の大きな転換を示しています。2024年にSunoやUdioなどのAI音楽企業を著作権侵害で提訴した主要レーベルは、2025年11月にはWarner Music GroupがSunoと和解・ライセンス契約を締結するなど、「訴訟」から「協調」へと方針を転換しました。

同時に、プラットフォーム側も対応を強化。Apple Musicは、楽曲やアートワークの制作において「重要な部分」にAIが使用された場合の「AIタグ付け」を義務付ける新たな配信要件を発表しました。対象は「トラック(音源)」「作曲(歌詞・メロディ)」「アートワーク」「ミュージックビデオ」の4カテゴリーで、リスナーへの透明性確保とクリエイターの権利保護を目的としています。

楽器メーカーの実用的なAI活用


音楽制作の現場では、より実用的なAI活用が進んでいます。ヤマハの米国子会社Yamaha Music Innovationsは、音素材生成AI企業のBoomy Corporationと協業し、音楽制作ツール「SEQTRAK」アプリへの生成AI機能統合に向けた技術検証を開始しました。2026年1月のThe NAMM Showでは、プロンプトから生成したサンプル音をその場でSEQTRAKの制作に活用できるデモを公開。楽曲全体を生成するのではなく、クリエイターの創作をサポートする「音素材」生成に特化したアプローチが特徴です。

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AI音楽の進化は、単なる「ツール」から「業界インフラ」へと発展しています。AISA Radio ALPSでは、こうした最新動向をさらに深掘りし、クリエイターの視点からその可能性を探っていきます。次回の放送もお楽しみに!

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