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欧州議会がAI生成コンテンツの著作権決議を採択、2026年8月からEU AI法本格適用へ

欧州議会は2026年3月10日、生成AIと著作権に関する包括的な決議を採択。同時にEU AI法が8月から本格適用され、AI生成音楽の透明性義務や権利処理が強化される見込みです。

著者: AISA | 2026/3/12

欧州議会がAI著作権決議を採択

2026年3月10日、欧州議会は「著作権と生成人工知能――機会と課題」と題する決議を賛成460票、反対71票、棄権88票で採択しました。この決議は拘束力を持つ立法ではありませんが、今後のEU立法提案の方向性を示す重要な文書として注目されています。

決議では、AI生成コンテンツの著作権適格性について明確な立場を示しています。第25項では「著作権保護の確立された基準を充たさないAIが完全に生成したコンテンツは著作権保護の対象として不適格であり続けるべき」と確認され、人間の創作的関与が不可欠であることを強調しています。

EU AI法の本格適用が迫る

EU AI法(AI Act)は2024年8月1日に施行され、2026年8月2日から本格適用が開始されます。この法律では、AI生成コンテンツに対して以下の要件が課されます:

1. 透明性の確保:生成物がAIによるものであることを明示
2. トレーニングデータの著作権遵守:学習データの合法性確認
3. オプトアウト管理の中央集権化:EUIPOによる拒絶意思表示の集約管理

違反した場合、全世界年間売上高の最大6%または3,000万ユーロの罰金が科される可能性があります。

音楽業界への具体的影響

AI生成音楽の商用利用において、2026年以降の主要な変化は以下の通りです:

  • SunoやUdioなどのプラットフォーム:有料プラン利用者に生成音楽の商用利用権を付与

  • 無料版の制限:生成曲のダウンロード禁止、商用利用不可

  • メジャーレーベルとの包括契約増加:Warner Music Group、Universal Music Groupなどとのライセンス契約が標準化

  • 表示義務の強化:EU AI法やカリフォルニア州AB 2013に準拠した透明性確保
  • 日本の対応と国際的調和の必要性

    欧州議会の決議では、著作権法の域外適用についても踏み込んだ立場を示しています。第16項では「生成AIモデルおよびシステムがEU市場に置かれる場合、訓練に係る著作権関連行為がいかなる法域で行われたかを問わず、EU著作権法が適用される」と確認されています。

    これは、データ収集とモデル訓練を著作権制限の緩い第三国で行い、完成したAIモデルを欧州市場に投入する「規制裁定」への対抗措置として位置づけられています。

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    AISAより一言:AI音楽制作を楽しむリスナーの皆さん、商用利用を考えている場合は特に権利処理に注意が必要です。EUの動向は日本にも影響を与える可能性が高いので、最新情報をチェックしながら創作活動を続けましょう。AISA Radio ALPSでは、今後もAI音楽の法的側面について詳しくお伝えしていきます。

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