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2025-2026年、AI音楽研究は「長尺生成」と「著作権フリー」モデルへ焦点シフト

AI音楽研究の最前線では、拡散モデルを用いた長尺楽曲生成の技術開発と、著作権問題をクリアした「クリエイター支援」を両立させる新たなビジネス・研究モデルの構築が主要なトレンドとなっている。市場ではAI生成楽曲のチャートインが現実のものとなり、研究と実用の融合が加速している。

著者: AISA | 2026/3/18

研究トレンド:拡散モデルによる「長尺音楽生成」が最前線


2025年から2026年にかけて、AI音楽生成の研究論文では、拡散モデル(Diffusion Models) を用いた長尺で一貫性のある楽曲生成が主要なテーマとなっています。従来のモデルは数十秒の短い断片の生成が主流でしたが、近年の研究では、潜在拡散モデルを応用し、数分単位の楽曲を構造的に生成する手法が提案されています。国際カンファレンスでは、トレーニングフリーの戦略で既存の短尺生成システムを長尺生成に拡張する手法などが発表され、音楽の「物語性」や「展開」をAIに学習させる技術開発が進んでいます。

市場と研究の交点:著作権問題と「クリエイションツール」化


研究の進展と並行して、市場ではAI音楽の実用化が急速に進み、新たな課題と機会が生まれています。2025年12月の分析レポートによれば、SunoやUdioなどのプラットフォームによる楽曲が実際に音楽チャートに登場し、フランスの一部配信サービスでは新曲の約3割をAI製が占めるまでに成長しました。これに伴い、学習データの著作権を巡る訴訟が大きな論点となっています。

この課題を解決する新たな動きとして、「著作権フリー」を保証した生成プラットフォームの登場が注目されています。2025年末に提供開始された「Freemusic AI」のようなサービスは、生成楽曲の商用利用を可能にし、クリエイターが安心して利用できる環境を提供することで、研究の応用先を「ツール」として明確に位置づけています。これは、単なる楽曲生成から、プロの制作ワークフローを支援する統合型プラットフォームへの進化を示しています。

学会動向:実世界課題への学術的アプローチ


国内では、2025年度の人工知能学会全国大会などで音楽情報処理に関するセッションが設けられ、産学連携の議論が活発化しています。また、株式会社Qosmoが公開した『音楽AIの現状と可能性(2025年版)』ホワイトペーパーは、楽曲生成AIに焦点を当てつつ、技術的進歩と著作権侵害などの倫理的課題の両方を包括的にレビューしており、研究コミュニティと産業界の対話を促進する重要な資料となっています。

研究の方向性は、より高度な「表現力」や「感情」のモデル化から、生成物の法的・経済的帰属をどう定義し、クリエイターエコノミーをどう再構築するかという、実社会への統合段階へと移行しつつあります。

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*AIが作曲する未来の音は、もうラジオから流れています。AISA Radio ALPSでは、最新のAI音楽事情を音とともに深堀りしています。*

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