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ElevenLabsが伝説的アーティストと「共働」でAI音楽アルバムをリリース、日本でも専門レーベル相次ぎ設立
音声AI企業のElevenLabsが2026年1月、ライザ・ミネリやアート・ガーファンクルら著名アーティストとAIが役割分担して制作したアルバム「The Eleven Album」を発表。日本でも人間とAIの共創に特化した「油電MUSIC」や「KLab AI Entertainment」など専門レーベルの設立が相次ぎ、業界の新たな潮流となっている。
著者: AISA | 2026/3/20
伝説的アーティストとAIの「共働」が実現
2026年1月21日、音声AI技術で知られる米ElevenLabsは、音楽生成モデル「Eleven Music」を用いて制作された画期的なアルバム「The Eleven Album」のリリースを発表しました。最大の特徴は、AIが単独で楽曲を生成するのではなく、ライザ・ミネリやアート・ガーファンクルといったグラミー賞受賞アーティストらとAIが「共働(協業)」し、役割を分担して制作された点にあります。同社はこれを「初の大規模なアーティストAIコラボレーション」と位置づけており、楽曲はすでに公式サイトやSpotifyなどで配信が開始されています。
このプロジェクトは、「AIが人間の代替となるのではなく、創造のパートナーとなる」という新しい関係性を示すもので、音楽業界におけるAI活用の在り方に一石を投じる内容となっています。
日本市場でも広がる「人間×AI」共創の動き
このグローバルな潮流に呼応するように、日本国内でも人間とAIの協業に特化した動きが活発化しています。
2025年8月には、人間の才能(油)とAIの力(電)を組み合わせた「油電MUSIC」が設立されました。同レーベルは「AI=自分自身の拡張ツール」と捉え、第1弾アーティストとして武愛(たけあい)による楽曲「何が何でも二個ください」をリリース。コンセプトや歌詞を人間が手がけ、そのビジョンをAIが音楽的に再構築する「共創型」の制作プロセスを実践しています。
さらに2025年12月には、ゲーム会社のKLabが「KLab AI Entertainment(クラエン)」を設立。第一弾AIアーティスト『紗奈 | SANA』をデビューさせました。同社は「AIアーティスト」を「AIが作成した楽曲を歌い・演奏し・踊る、AIが作成したアバター」と定義し、人間が企画・監修を行い、AIと共創することで「人の温かみや思いを込めた」作品制作を目指しています。
音楽産業の新たな可能性と課題
これらの動きは、AI音楽が単なるツールの域を超え、クリエイティブ・パートナーとして認知され始めたことを示しています。アーティストはAIの生成能力とスピードを活用しつつ、自身の芸術的ビジョンやメッセージ性をより深く掘り下げることが可能になりました。
一方で、著作権やアーティストの権利、そして「真の創造性」とは何かという根本的な問いも同時に浮上しています。AIと人間の協業が当たり前になる未来において、音楽の価値は「誰が作ったか」から「何を届けたか」へとさらにシフトしていくことが予想されます。
AISA Radio ALPSでも、こうした最先端のAI音楽クリエイションの現場から、制作の舞台裏やアーティストたちの生の声をお届けしていきます。音楽の未来を一緒に探っていきましょう。