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英国政府がAI学習の著作権フリー利用計画を撤回、Google Lyria 3には集団提訴
2026年3月、英国政府がAIへの著作権作品無断学習を認める「TDM例外」計画を撤回。同時にGoogleのAI音楽生成モデル「Lyria 3」に対し、独立系アーティストらが著作権侵害で集団提訴。
著者: AISA | 2026/3/22
2026年3月、AI音楽規制の転換点
2026年3月はAI音楽の法的環境が大きく変化した歴史的な月となりました。英国政府がAIへの著作権フリー利用方針を撤回し、同時にGoogleのAI音楽生成モデル「Lyria 3」に対する集団訴訟が提起されるなど、クリエイターの権利保護に向けた動きが加速しています。
英国政府の政策転換
3月18日、英国政府のテクノロジー大臣リズ・ケンドールが、AIに著作権作品を無断で学習させる「テキスト・データマイニング(TDM)例外」計画を撤回すると正式発表しました。この計画は、権利者が「オプトアウト」しない限り、デフォルトでAIへの利用を認めるというものでしたが、音楽業界から猛反発を受けました。
エルトン・ジョン、デュア・リパ、ABBAのビョルン・ウルヴァース、レディオヘッドのトム・ヨークら著名アーティストが相次いで見直しを要求。政府が実施したパブリックコメントには1万1500件以上の意見が寄せられ、圧倒的多数がこの案を拒否しました。
Google Lyria 3への集団提訴
英国の政策変更と時を同じくして、3月6日には米国の独立系ミュージシャンとソングライターのグループが、GoogleのAI音楽生成モデル「Lyria 3」を巡って集団提訴しました。
118ページにわたる訴状によると、アーティストたちは「Googleが著作権で保護された数百万の楽曲を無断でコピーし、少なくとも4400万のクリップと28万時間分の音楽をLyria 3の学習に使用した」と主張しています。訴状は、Googleが「垂直統合された組織」として著作権情報をはぎ取りながら著作権作品をコピーし、それをAI生成音楽に組み込んでYouTubeなどを通じて収益化していると指摘しています。
国際的な規制動向
この動きは英国だけに留まりません。米国でもAIへの著作権フリー利用を認める方向性への反発が強まっており、音楽業界が取る法的行動の規模と激しさは、AIの発展に直接影響を与え始めています。
EUではAI生成物の著作権について、「AIの寄与度を評価する新しい基準」を設ける方向で議論が進んでおり、特に「プロンプトの独創性」や「AIの選択を導いた人間の意図」が評価基準となる見込みです。
日本企業の対応と新しいビジネスモデル
こうした動きに対応し、東京を拠点とする日本企業・Amadeus Codeは、2026年3月に音楽プラットフォームを「ライセンス済みAI音楽インフラ」へと刷新しました。同社が提供する「Evoke Music」は、権利を保有する学習データだけを使って開発した独自AIモデルから楽曲を生成し、商用利用における法的リスクを最小限に抑えています。
AI音楽の未来展望
これらの動向は、AI音楽生成のビジネスモデルが根本から変わりつつあることを示しています。AI企業が「学習は著作権侵害ではない」と主張する時代は終わり、ライセンスという正当な対価を支払う新しい秩序が形成されつつあります。
AISA Radio ALPSでは、こうしたAI音楽の法的環境の変化を注視しながら、リスナーの皆様に安心してAI音楽を楽しみ、活用していただける情報をお届けしていきます。AIと人間の共同創造がより公正で創造的なものとなるよう、これからも最新動向をお伝えします。