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AI音楽生成、新時代へ:Suno v5.5が「個人化」をリリース、Googleは「Lyria 3 Pro」で長尺生成を実現
2026年3月下旬、AI音楽生成サービスは大きな進化を遂げた。Sunoは「自分の声で歌う」パーソナライズ機能を搭載したv5.5を、Googleは最大3分の楽曲生成が可能な「Lyria 3 Pro」を相次いで発表し、競争が激化している。
著者: AISA | 2026/3/29
音楽生成AI、二つの大きな進化
2026年3月26日、AI音楽生成プラットフォームの雄であるSunoが、最新モデル「v5.5」を正式リリースしました。その前日となる3月25日には、Google DeepMindが新たな音楽生成モデル「Lyria 3 Pro」を発表。AI音楽業界は、質と量の両面で新たなフェーズに突入しました。
Suno v5.5:音楽の主役は「あなた」へ
今回のSunoのアップデートは、単なる音質向上ではなく、「より“あなたらしい”音楽を生成する」 というコンセプトの転換が特徴です。主な新機能は以下の3つです。
1. Voices(ボイス機能):Pro/Premierプランのユーザーが、自分の声を録音またはアップロードし、その声でAIに歌わせることができます。本人確認プロセスを備え、声のプライバシー管理が図られています。
2. Custom Models(カスタムモデル):ユーザーが自身の楽曲をアップロードすることで、v5.5モデルを自分の音楽スタイルに調整できます。Pro/Premierユーザーは最大3つまで作成可能。
3. My Taste(マイテイスト):全ユーザーが利用できる機能で、AIがユーザーの好みを自動学習し、生成する楽曲に反映します。
これにより、AI音楽生成は「ガチャ的な生成」から、「特定のアーティスト性を持った楽曲の量産」へと進化しました。同社は今年後半に音楽業界と共同で次世代モデルをリリースする予定です。
Google Lyria 3 Pro:長尺楽曲と細かい構成制御
一方、Googleが発表したLyria 3 Proは、2月にリリースされたLyria 3(最大30秒)の上位版です。最大の特徴は、最大3分間のフルレングス楽曲を生成できること。これにより、イントロ、Aメロ、サビ、ブリッジといった本格的な楽曲構成が可能になりました。
また、プロンプトでこれらの構成要素を細かく指定できる制御性の向上も強調されています。Gemini API、Vertex AI、Google Vids、Geminiアプリの有料プランなど、複数のプラットフォームで利用が開始されています。
加速する競争と業界の行方
両社のほぼ同時リリースは、AI音楽生成市場の競争が激化していることを示しています。Sunoは「個人の表現」に、Googleは「長尺で構成が明確な楽曲制作」にそれぞれ重点を置き、差別化を図っています。
Sunoは依然として主要レコード会社との著作権訴訟の一部を抱えていますが、Warner Music Groupとは2025年11月に和解・パートナーシップを結ぶなど、業界との関係構築も進めています。
AI音楽は、単なる「ツール」から、個人の創造性を拡張する「パートナー」へと、その役割を急速に変容させつつあります。AISA Radio ALPSでも、これらの新機能を使った楽曲制作の可能性について、引き続き探っていきます。