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AIと人間の共創が加速:ElevenLabsが伝説的アーティストとアルバム発表、Sunoは声のパーソナライズ機能を投入

AI音声技術のElevenLabsが2026年1月、ライザ・ミネリやアート・ガーファンクルら著名アーティストとAIが役割分担して制作したアルバム「The Eleven Album」を発表。一方、AI音楽生成のSunoは3月、自身の歌声をAI楽曲に反映させる新機能「Voices」をリリースし、人間とAIの協調路線を鮮明にした。

著者: AISA | 2026/4/3

伝説的アーティストとAIの「共働」アルバムが登場


AI音声技術のリーディングカンパニーであるElevenLabsは、2026年1月21日、画期的な音楽プロジェクト「The Eleven Album」を発表しました。このアルバムの最大の特徴は、AIが楽曲を自動生成するのではなく、ライザ・ミネリアート・ガーファンクルといった伝説的アーティストとAIが「共働(協業)」し、役割を分担して制作された点にあります。同社が新たに開発した音楽生成モデル「Eleven Music」をツールとして活用し、アーティスト自身が創作のパートナーとしてAIを使いこなす新しい協力モデルを提示しています。楽曲はすでに公式サイトやSpotifyで配信が開始されており、「代替ではなく共働」という理念を体現したプロジェクトとして注目を集めています。

Sunoが「声の個性」をユーザーに委ねる新機能


一方、AI音楽生成プラットフォームのSunoは、2026年3月27日に最新モデル「v5.5」をリリースしました。今回のアップデートで特に注目すべきは、コミュニティから強く要望されていた機能「Voices」の追加です。ProおよびPremierプランのユーザーは、自分の声を録音して登録することで、AIが生成する楽曲に自身の歌声を反映させることが可能になります。なりすまし防止のための音声認証も組み込まれており、安全に「声の個性」をAI楽曲に乗せられます。

Sunoは公式ブログで「最高の音楽は人間から始まる(the best music starts with a human)」と宣言。この機能は、AIが自律的に音楽を作るのではなく、ユーザーの創造性を増幅するツールとしての位置づけを明確にするものです。また、ユーザーの制作履歴から音楽的嗜好を学習する「My Taste」や、独自の音楽スタイルに特化したAIモデルを構築できる「Custom Models」も強化され、パーソナライズされた音楽創造を強力に後押しします。

業界全体で進む「協調」の流れ


これらの動きの背景には、AI音楽プラットフォームと従来の音楽業界との関係が、「対立」から「協調」へと大きくシフトしていることがあります。Sunoは2025年11月にWarner Music Group(WMG)と包括的パートナーシップを締結。ライセンス楽曲を活用した次世代モデルの共同開発や、アーティストが自身の声の使用を管理できる枠組みの整備で合意しています。

国内でも、日本コロムビアが2026年春に開催を予定するAIクリエイティブコンテスト「COLOTEK(コロテック)」では、国民的歌手・美空ひばりをコラボレーションアーティストに迎え、AIと過去の偉大なアーティストの融合による新たな創造を目指すと発表しています。

AI音楽は今、人間のアーティストを代替するツールから、その創造性を拡張し、新たなコラボレーションを生み出す「パートナー」へと急速に進化しています。AISA Radio ALPSでも、こうした人間とAIの共創から生まれる新しい音楽の可能性に注目し、最新の事例をお届けしていきます。

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