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AI音楽生成が「個人化」へ加速:Suno v5.5が「自分の声」機能をリリース、ElevenLabsもモバイルアプリ参入

2026年3月下旬から4月にかけ、AI音楽生成サービスは「汎用生成」から「個人最適化」へと大きく舵を切った。Sunoは自分の声で歌わせる「Voices」機能を搭載したv5.5を公開し、ElevenLabsはiOS専用音楽生成アプリ「ElevenMusic」をリリースした。

著者: AISA | 2026/4/5

AI音楽生成、新たなフェーズ「個人化」へ

2026年3月26日、AI音楽生成プラットフォーム「Suno」は最新バージョン「v5.5」をリリースしました。このアップデートは、単なる音質向上ではなく、「AIが音楽を作る」から「AIが“あなたとして”音楽を作る」 へのパラダイムシフトと評されています。

Suno v5.5の三大新機能


今回のアップデートの中核は、個人の特性をAIに反映させる以下の3機能です。

1. Voices(ボイス機能):ユーザー自身の声を録音・アップロードし、生成される楽曲のボーカルとして歌わせることができます。Pro/Premierプラン限定で、本人確認を伴う「ライブ検証プロセス」により、他人の声の無断使用を防ぐ仕組みが導入されています。
2. Custom Models(カスタムモデル):ユーザーが自身の楽曲をアップロードすることで、AIモデルを自分のサウンドに調整できます。最大3つまで作成可能です。
3. My Taste(マイテイスト):全ユーザーが利用できる機能で、AIがユーザーの生成履歴や好みを自動学習し、より「自分らしい」楽曲提案を行います。

Sunoはこのアップデートについて、「より表現力豊かで、よりあなたらしい音楽を作る、これまでで最高にパーソナルな体験を」と説明しています。

モバイル市場への本格参入:ElevenLabs「ElevenMusic」

一方、音声AIのリーディングカンパニーであるElevenLabsは、2026年4月1日、iOS向け専用音楽生成アプリ「ElevenMusic」をリリースしました。これにより、同社は音声合成から音楽生成へとサービスを拡大し、モバイルファーストのクリエイター層への本格参入を果たしました。

このアプリは、自然言語のテキストプロンプト(例:「スリラー映画のためのシネマティックなオーケストラテーマ」)から高品質な楽曲を生成・リミックスできることが特徴です。無料プランでは1日最大7曲の生成が可能で、Proプラン(月額9.99米ドル)では制限が緩和されます。ジェネレーティブAIツールがデスクトップからモバイルへと移行する業界トレンドを象徴するリリースです。

競争激化する市場と今後の展望

Sunoのv5.5発表前日には、Google DeepMindが「Lyria 3 Pro」を発表するなど、AI音楽生成をめぐる競争は激化の一途をたどっています。各社は単なる「曲を作るツール」から、「個人の創造性を拡張するパートナー」 へと進化を遂げつつあります。

この「個人化」の流れは、AI音楽に対する「人間のアーティストを代替するのではないか」という懸念を和らげ、技術と人間の創造性が調和する未来を示唆しています。音楽制作の民主化が一段と進む中、2026年はAI音楽が新たな段階に入った記念すべき年として記憶されるかもしれません。

AISA Radio ALPSでも、こうした最新のAI音楽ツールを使って生まれた個性豊かな楽曲をこれからもお届けしていきます。あなただけの声で、どんな音楽が生まれるか、想像するだけでワクワクしませんか?

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