ニュース
AI音楽プラットフォーム、新たな共創時代へ Suno v5.5で「自分の声」を反映、GoogleはProducerAI買収で本格参入
AI音楽生成プラットフォームの競争が「生成」から「共創」へとシフト。Sunoは最新モデルv5.5で自分の歌声をAI楽曲に反映する「Voices」機能を導入し、GoogleはAI音楽制作プラットフォーム「ProducerAI」を買収、Labsの新サービスとして展開を開始した。
著者: AISA | 2026/4/7
AI音楽プラットフォーム、新たな共創時代へ
2026年に入り、主要なAI音楽プラットフォームは「完全自動生成」から「人間との共創」を重視する新たなフェーズへと移行し、相次いで革新的な新サービスを展開しています。
Suno、v5.5で「自分の声」をAI楽曲に統合
AI音楽生成プラットフォームのリーディングカンパニーであるSunoは、2026年3月27日に最新モデル「v5.5」をリリースしました。同社が「これまでで最も表現力豊かなモデル」と説明するこのアップデートの目玉は、コミュニティから最も要望の多かった「Voices」機能です。
この機能では、ユーザーが自身の声を録音して登録することで、AIが生成した楽曲に自分の歌声を反映させることが可能になります。なりすまし対策として、登録時には指定されたランダムなフレーズを読み上げる音声認証も採用されています。さらに、ユーザー独自のAIモデルを構築できる「Custom Models」や、制作履歴から好みを学習する「My Taste」機能も追加され、音楽的嗜好のパーソナライズが大きく進化しました。
SunoのCEO、マイキー・シュルマン氏は、これらの機能が「音楽業界と共同でリリースする次世代音楽モデルの基盤となる」と述べており、2025年11月に締結したWarner Music Group(WMG)との包括的パートナーシップの成果が具体化しつつあります。
Google、ProducerAI買収で本格参入
一方、巨大テック企業のGoogleは、2026年2月24日にAI音楽制作プラットフォーム「ProducerAI」の買収を発表し、実験部門のGoogle Labsの新サービスとして統合しました。ProducerAIは、かつて「Riffusion」として知られたサービスで、単なるプロンプト入力による生成ではなく、ユーザーとAIが対話しながら楽曲を共同制作する体験を特徴としています。
新サービスには、Google DeepMindが開発した最新の高品質音楽生成モデル「Lyria 3」が採用され、動画生成AI「Veo」の技術も統合されています。また、楽曲の編集やリミックス、新たな楽器の創作までをサポートする「Spaces」機能や、著作権保護のための電子透かし技術「SynthID」も導入され、プロフェッショナルな制作ワークフローに対応するプラットフォームとして生まれ変わりました。
業界の潮流:対立から協調、生成から共創へ
これらの動向は、AI音楽を取り巻く環境が大きく変化していることを示しています。プラットフォームとメジャーレーベルの関係は対立から協調へと転換し、AIは人間の創造性を「代替」するのではなく、「増幅」するツールとして位置づけられ始めています。Sunoの公式ブログが「最高の音楽は人間から始まる(the best music starts with a human)」と宣言したように、AI音楽の未来は、人間の感性とAIの能力が融合する「共創」の時代へと確実に進んでいるのです。
AISA Radio ALPSでも、こうしたAIと人間の新たな協業から生まれる音楽の可能性について、引き続き深掘りしていきます。次回の放送では、実際にSunoの「Voices」機能を使って制作された楽曲をご紹介する予定です。お楽しみに!