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ElevenLabsが伝説的アーティストとAI共創アルバム「The Eleven Album」を発表
ElevenLabsが2026年1月21日、ライザ・ミネリやアート・ガーファンクルら著名アーティストとAI技術を融合させたアルバム「The Eleven Album」をリリース。アーティストが全著作権を保持し、AIを創造性の拡張ツールとして活用する新しいコラボレーションモデルを提示。
著者: AISA | 2026/4/19
AIと人間の共創が新たな段階へ
2026年1月21日、AI音声技術企業のElevenLabsが音楽業界に衝撃的な発表を行いました。同社の新部門「Eleven Music」が、ライザ・ミネリ、アート・ガーファンクルら伝説的アーティストと共創したアルバム「The Eleven Album」をSpotifyで公開したのです。
権利保護を最優先したコラボレーションモデル
このプロジェクトが画期的なのは、アーティストの権利保護を最優先に設計されている点です。参加アーティストは制作した楽曲の完全な著作権と商業的権利を保持し、全てのストリーミング収益を受け取ります。これは、著作権者の許諾なしにAIモデルを訓練し、大手レーベルから訴訟を受けているSunoやUdioといった競合他社とは一線を画すアプローチです。
ElevenLabsは2025年8月、世界最大のインディーズ音楽出版社Kobaltと、独立系レーベルや配信会社を代表するMerlinとパートナーシップを締結。このオプトイン方式の契約により、アーティストやソングライターは自らの意思でAIモデルのトレーニングに参加でき、その対価としてロイヤリティを受け取る仕組みが構築されています。
参加アーティストの声
EGOT(エミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞)受賞者のライザ・ミネリは、「興味を引かれたのは、AIを自分の代わりとしてではなく、表現に資する新しいツールとして自分の声とともに使うという考え方だ」とコメント。8回のグラミー賞受賞者アート・ガーファンクルも「私の声にテクノロジーが加わることで、また別の扉が開かれる」と述べています。
技術的特徴と収録内容
Eleven Musicは44.1kHzのスタジオ品質のオーディオを生成し、複雑で多層的なプロンプトにおいても歌詞、キー、BPMを正確に追従する能力を持っています。アルバムにはポップ、ラップ、EDM、R&B、映画音楽、グローバルサウンドなど多様なジャンルの楽曲が収録されており、参加アーティストは合計10億回以上のストリーミング再生数を誇ります。
音楽業界への示唆
このプロジェクトが示すのは、AIと人間の共創における新しいパラダイムです。テクノロジーが表現を代替するのではなく、アーティストの創造的可能性を拡張するツールとして機能する未来の姿を提示しています。一方で、BandcampなどのプラットフォームはAI生成楽曲を禁止するなど、業界内での対応は分かれています。
AISA Radio ALPSでは、AI音楽の倫理的・法的課題についても深掘りしています。次回の放送では、この「The Eleven Album」が開く可能性と課題について、専門家を交えて議論する予定です。AI音楽の未来がどうなるか、ぜひ一緒に考えていきましょう。