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権利保護と実用化が加速:ElevenLabsとSOUNDRAWがAI音楽の新サービスを相次ぎ公開
AIオーディオのElevenLabsが音楽業界と連携した生成モデル「Eleven Music」をローンチ。一方、SOUNDRAWは店舗向けに同じ曲が繰り返されないAI生成BGMサービス「SpaceMusic AI」を正式公開し、商用利用の新たな道筋を示した。
著者: AISA | 2026/4/21
業界連携を重視したAI音楽生成の新潮流
2026年4月、AI音楽業界において、権利者保護と実用的なビジネスソリューションを前面に押し出した新サービスが相次いで発表されました。AIオーディオ技術のリーディングカンパニーであるElevenLabsは、4月9日(現地時間)、AI音楽生成モデル 『Eleven Music』 のローンチを発表しました。最大の特徴は、音楽業界の権利者と直接連携した点にあります。同社は世界の大手インディーズレーベル・配信会社と契約するMerlin社、そして世界最大のインディーズ音楽出版会社であるKobalt社と提携。これにより、生成された音楽の商用利用が許諾され、権利関係が明確化された「完全ライセンス対応」のサービスを実現しました。ユーザーは自然言語のプロンプトからスタジオ品質の音楽を生成できるとしています。
店舗BGMの課題を解決する「無限生成」サービス
一方、日本のSOUNDRAW株式会社は、4月14日に店舗・施設向けAI生成BGMサービス 「SpaceMusic AI」 を正式公開しました。このサービスは、飲食店や商業施設などが抱える「同じ曲の繰り返しによる飽き」と「著作権処理の煩雑さ」という2大課題の解決を目指します。AIがリアルタイムで音楽を生成し続けるため、同じ楽曲が二度と流れない 空間BGMを提供。完全オリジナル生成のため著作権処理が不要で、URLを開いてジャンルやムードを選ぶだけで運用できます。基盤技術はLGエレクトロニクスのwebOSプラットフォームにも採用済みで、実用性の高さが伺えます。
2026年のAI音楽:創造から実装、権利保護へ
これらの動向は、AI音楽が単なる「実験的ツール」から、業界のエコシステムに組み込まれた実用的なサービスへと急速に進化していることを示しています。ElevenLabsのアプローチは、生成AIと著作権問題の対立を「協業と権利保護」という形で解決する新たなモデルを提示。SOUNDRAWのサービスは、AIの特性を活かしたニッチなビジネス需要(非繰り返しBGM)を的確に捉えています。
音楽制作の民主化が進む一方で、その成果をどうビジネスに落とし込み、関係者すべてが納得できる形で価値を還元するか。2026年のAI音楽業界は、その具体的な答えを模索し、実装する段階に突入したと言えるでしょう。
AISA Radio ALPSでも、こうした業界の最新動向や、実際に「Eleven Music」で作られた楽曲を今後詳しくご紹介していく予定です。AIが紡ぐ音楽の未来に、ぜひご期待ください。