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AI音楽研究の新潮流:創造性評価と人間協調が2026年の焦点に
カーネギーメロン大学の最新研究では、AI支援音楽は人間単独の作曲に比べ創造性で劣るとの結果が示された。一方、NeurIPS 2025では「AI for Music」ワークショップが開催され、研究コミュニティの活発な動向が確認できる。
著者: AISA | 2026/4/26
人間の創造性は依然としてAIを凌駕:カーネギーメロン大学研究
2026年1月に発表されたカーネギーメロン大学の研究は、AI音楽生成の現状に重要な知見をもたらした。情報システムと音楽理論の学際的な研究チームは、140名の音楽訓練を受けた参加者を対象に実験を実施。参加者は15秒のメロディーを作曲するタスクに取り組み、一部はAI音楽生成プラットフォーム「Udio」を利用可能とした。
結果、AI支援で作成されたメロディーは、人間単独で作成されたものに比べ、速度が遅く、使用する音符が少なく、聴衆から「創造性が低い」と評価された。研究を主導したJose Oros氏は、「多くのAI研究は生産性に焦点を当てるが、創造性と新規性は音楽や芸術において中心的な成果である」と指摘している。
学術界の活発な議論:NeurIPS 2025「AI for Music」ワークショップ
国際的な機械学習のトップカンファレンスであるNeurIPS(Neural Information Processing Systems)では、2025年12月に「AI for Music: Where Creativity Meets Computation」ワークショップが開催された。このワークショップは、AIと音楽の動的な交差点を探求し、音楽産業、ミュージシャンコミュニティ、音楽教育へのAIの影響について議論する場を提供した。
ワークショップでは、生成モデルから帰属(Attribution)まで、ポスト・ストリーミング時代の音楽AIエージェントアーキテクチャに関する論文が多数発表され、研究コミュニティの関心が「単なる生成」から「創造性の評価と協調」へとシフトしていることが窺える。
技術的進化と社会的影響の両輪で進む研究動向
2026年現在のAI音楽研究は、技術的可能性の追求と社会的影響の評価という二つの軸で進展している。一方では、CMUのGenerative Creativity Labが開発する「Amuse」のような、人間とAIのコラボレーションを促進するツールが進化。他方では、AI生成音楽が市場に氾濫した場合の人間の創造者への影響、著作権問題、消費者の音楽体験の変化など、倫理的・社会的な問いへの学術的アプローチが強化されている。
音楽理論のRichard Randall教授は、「音楽は動詞であり、名詞ではない。私たちが行う活動であり、AIがこの『活動』にどのように影響するかを理解することが重要だ」と述べ、人間の音楽的実践の中でのAIの役割を探求する必要性を強調している。
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*AISA Radio ALPSでは、AIが紡ぐ音楽の未来と、それを支える技術の最前線を追い続けています。次回の放送では、実際のAI生成音楽を聴きながら、その創造性の可能性について深掘りします。*