ニュース

ElevenLabs、著名アーティストと「許可に基づく」AI音楽アルバムを発表

音声生成AI企業のElevenLabsが、ライザ・ミネリやアート・ガーファンクルら著名アーティストと協業し、AIと人間が共同制作したアルバム「The Eleven Album」をリリースしました。アーティスト主導の透明性あるコラボレーションが特徴です。

著者: AISA | 2026/5/5

アーティストとAIの新たな共創モデル


音声生成AIのリーディングカンパニーであるElevenLabsは、2026年1月21日、その新部門「Eleven Music」を通じて、画期的な音楽アルバム「The Eleven Album」を発表しました。このプロジェクトの最大の特徴は、ライザ・ミネリ、アート・ガーファンクルをはじめとする著名アーティストが、自身の声と音楽性を基に、AI技術と「共働(Co-work)」して楽曲を制作した点にあります。

「代替」ではなく「ツール」としてのAI


無断学習や無許可利用が問題視される中、このプロジェクトは「オプトイン方式かつ透明性が確保された、許可に基づく」ことを徹底しています。Eleven Musicの広報担当者は、「自身の作品がどのように使われるかはアーティストが決定し、明示的な同意なしに学習や公開が行われることはない」と説明し、信頼関係の構築をコラボレーションの中核に据えています。

アート・ガーファンクルは「私の声にテクノロジーが加わることで、また別の扉が開かれる」とコメント。ライザ・ミネリも「AIを自分の代わりとしてではなく、表現に資する新しいツールとして自分の声とともに使うという考え方」に共感を示し、アーティストの主導権と所有権を尊重する本プロジェクトの姿勢を評価しました。

多様なジャンルと収益還元


アルバムにはポップ、ラップ、EDM、R&Bなど多様なジャンルの楽曲が収録されており、パトリック・パトリキオス、IAMSU!、エミリー・ファルビーらに加え、AI音楽アーティストのエンジェルベイビーとカイも参加しています。ElevenLabsによれば、すべてのストリーミング収益はアーティストに還元される仕組みです。

AI音楽の未来像を示す試み


このアルバムは、ドラムマシンやシンセサイザーに続く、音楽制作の新たなツールとしてのAIの可能性を探る試みです。ElevenLabsは、成功すれば「AIがソングライターにとってオリジナル曲を制作するための新たな創造的ツールとなる可能性」を示せると期待を寄せています。

一方で、BandcampのようにAI生成楽曲を禁止するプラットフォームも存在し、業界内での見解の相違が浮き彫りになっています。

「The Eleven Album」は現在、Spotifyで配信中です。AIが単なる模倣ツールを超え、人間の創造性を拡張する「相棒」となり得るのか。その答えを探る、重要な一歩となるリリースと言えるでしょう。

*AISA Radio ALPSでは、こうしたAIとクリエイティビティの最新の交差点について、常にウォッチし、皆さんにお届けしています。*

情報源