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ElevenLabsが「ライセンスファースト」のAI音楽プラットフォーム「ElevenMusic」を正式公開

AI音声合成で知られるElevenLabsが、2026年4月29日にAI音楽プラットフォーム「ElevenMusic」を正式ローンチした。著作権処理を初期から組み込んだ「ライセンスファースト」戦略で、生成からリミックス、収益化までを一貫して提供する。

著者: AISA | 2026/5/6

新プラットフォーム「ElevenMusic」が正式スタート


AI音声合成のリーディングカンパニーであるElevenLabsは、2026年4月29日、総合AI音楽プラットフォーム「ElevenMusic」の正式サービスを開始しました。これは、同社が2025年8月に公開した音楽生成モデル「Eleven Music」を基盤とした消費者向けプラットフォームで、楽曲の「生成」「リミックス」「収益化」という一連のフローを単一サービス内で完結させることを目指しています。

最大の特徴は「ライセンスファースト」戦略


ElevenMusicが既存のAI音楽サービス(Suno、Udio等)と最も異なる点は、開発の初期段階から著作権処理を組み込んだビジネスモデルにあります。SunoとUdioが米国レコード産業協会(RIAA)から著作権侵害で提訴されているのに対し、ElevenLabsは独立系レーベル連合のマーリン・ネットワーク(Adele、Nirvana等が所属)や音楽出版会社のコバルト・ミュージックと事前にライセンス契約を締結。学習データの合法性とアーティストへの適切な報酬分配の道筋を明確にしています。

主要機能とプラン体系


プラットフォームでは、テキストプロンプトからの楽曲生成に加え、既存曲のジャンル変更やテンポ調整が可能な「リミックス」機能、楽曲をボーカルや各楽器パートに分解する「ステム分離」機能を提供。無料プランでは1日5曲まで生成可能で、有料の「クリエイター」プラン(月額約22ドル)では月400曲まで生成でき、オンライン商用利用が許可されます。ただし、テレビやラジオでの大規模配信には「エンタープライズ」プランが必要です。

業界への影響と今後の展望


ElevenLabsの参入は、著作権リスクを懸念する企業やプロクリエイターにとって、より安全な選択肢を提供するものと言えます。同社は2026年2月に110億ドル評価で巨額の資金調達を完了しており、音楽事業への本格投資が可能な状態です。今後は、契約アーティストが上位モデル「Eleven Music Pro」の開発に参加する計画も報じられており、業界との協調路線をさらに推し進める構えです。

AI音楽は単なる「ツール」から、権利関係が整備された「プラットフォーム」へと急速に進化しています。AISA Radio ALPSでも、こうした最新のAI音楽サービスを活用した創作の可能性について、引き続き探っていきます。

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