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AI音楽生成サービスが続々アップデート、音声クローンからエンタープライズ向け機能まで進化
主要AI音楽生成サービスが2026年春に相次いで機能アップデートを実施。Sunoは自身の声で楽曲生成できる「Voices」機能を追加し、Stability AIはエンタープライズ向けに高速処理の「Stable Audio 2.5」を発表した。
著者: AISA | 2026/5/9
AI音楽生成、パーソナライズと高速化がトレンドに
2026年3月から4月にかけて、主要なAI音楽生成サービスが相次いで重要なアップデートを実施しています。これらのアップデートは、単なる音質向上を超え、よりパーソナライズされた音楽制作と、プロフェッショナルなワークフローへの対応を強化する方向性を示しています。
Suno v5.5:音声クローンとカスタムモデルで個性を反映
米Sunoは3月26日、音楽生成AI「Suno v5.5」を公開しました。今回のアップデートで最も注目されるのは、自身の音声を楽曲のボーカルとして利用できる「Voices」機能です。これにより、ユーザーは自分の声でAIが生成した楽曲を歌わせることが可能になりました。
さらに、有料プランユーザー向けに「Custom Models」機能が追加されました。これはユーザーが自身のカタログから6曲以上の音源をアップロードし、音楽スタイルやサウンドの傾向をAIに直接学習させることができる機能です。最大3種類の独自モデルを作成でき、自身の作風をより正確に反映した楽曲生成が可能になります。
無料プランユーザーにも「My Taste」機能が提供され、ユーザーの嗜好をAIが継続的に学習し、プロンプト入力時に補助する仕組みが導入されました。
Stable Audio 2.5:エンタープライズ向けに高速処理を実現
一方、Stability AIはエンタープライズ向け音声制作のために開発された「Stable Audio 2.5」を発表しました。このバージョンでは、GPUを使用した環境であれば2秒未満で最大3分の楽曲を生成できる高速処理が特徴です。
技術的には敵対的相対論的対比学習(ARC)手法を追加学習に用いることで高速化を実現。生成される楽曲の音楽的な構造も改良され、イントロ、展開部、アウトロといった複数パートからなる楽曲を生成可能になりました。
また、既存の音声データを入力して指定した位置から後を、そこまでの音声の流れに合わせて生成する「コンティニュエーション」機能も搭載。完全にライセンス取得済みのデータセットで学習されているため、商用利用でもリスクなく利用可能です。
業界の方向性:著作権対応とプロフェッショナル化
これらのアップデートは、AI音楽生成業界が2つの重要な方向に進んでいることを示しています。1つは、Sunoが明確にしたように「他者の音声を無断で学習させる行為を禁止」するなど、著作権や個人の権利保護への対応強化。もう1つは、Stable Audio 2.5が目指すような、プロフェッショナルなクリエイティブチームのワークフローへの統合です。
AI音楽は単なる「おもちゃ」から、本格的な音楽制作ツールへと進化を続けています。AISA Radio ALPSでも、これらの最新ツールを使った創作の可能性について、引き続き深掘りしていきたいと思います。