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AI音楽生成サービスが「パーソナライズ」を競う:Suno v5.5とUdioの最新アップデート

AI音楽生成サービスが、単なるテキストからの生成を超え、ユーザーの声や嗜好、既存曲のスタイルを学習する「パーソナライズ」機能の強化に注力。Sunoは自身の声を使える「Voices」機能を、Udioは既存曲のスタイルを反映する「Styles」機能を相次いでリリースした。

著者: AISA | 2026/5/10

パーソナル化が進むAI音楽生成の最前線

2026年3月、主要なAI音楽生成サービスが相次いで大規模アップデートを実施し、生成AIを用いた音楽制作の可能性を大きく広げました。これまでの「テキストプロンプトから曲を作る」という段階から、「ユーザー自身の声や好み、既存の音楽スタイルをAIに学習させ、よりパーソナライズされた楽曲を生成する」という新たなフェーズへと移行しつつあります。

Suno v5.5:自分の声で歌うAI楽曲

米Sunoは3月26日、音楽生成AI「Suno」の最新バージョン「v5.5」を公開しました。今回のアップデートの最大の目玉は、コミュニティから多く要望のあった 「Voices」機能 です。ユーザーが自身の音声サンプルをアップロードすることで、その声質や歌い方を学習させ、生成される楽曲のボーカルとして利用できるようになりました。

さらに、有料プラン向けの 「Custom Models」 機能では、ユーザーが自身の制作した6曲以上の音源をアップロードし、音楽スタイルやサウンドの傾向をAIに直接学習させることが可能です。これにより、アーティストは自身の作風をより正確に反映した新曲のアイデア出しやデモ制作に活用できるようになります。

無料プランを含む全ユーザーには 「My Taste」 機能も追加され、ユーザーが頻繁に利用するジャンルやムードをAIが継続的に学習。プロンプト入力時に蓄積された嗜好データに基づく楽曲生成をサポートします。

Udioの「Styles」:既存曲のサウンドを継承

一方、Sunoの主要競合であるUdioも、3月31日にアップデートを発表。既存曲の 「サウンド・アイデンティティー」を反映した新曲を生成できる「Styles」機能 の拡張を進めています。この機能は、特定の楽曲やアーティストの音楽的な特徴(コード進行、リズム、音色など)を分析し、そのスタイルを継承した新しい楽曲を作り出すことを可能にします。

著作権問題が大きな課題となる中、Udioはこの機能を通じて、正式な許諾を得た音楽データに基づく「クローズド型」サービスの提供も計画していると報じられており、業界の規範作りにも影響を与えそうです。

AI音楽の新時代:創造性の拡張と課題

これらのアップデートは、AIが単なる「作曲アシスタント」から、ユーザーの創造性や個性を「拡張・反映するパートナー」へと進化していることを示しています。特にSunoの「Voices」機能は、歌唱力に自信がなくても自分の声でオリジナルソングを完成させられる可能性を開き、音楽制作の民主化をさらに推し進めます。

ただし、個人の音声や既存の音楽スタイルを利用するこれらの新機能は、利用規約や著作権に関する明確な理解が不可欠です。Sunoは他者の音声を無断で学習させる行為を禁止するなど、倫理的な運用を促しています。

AI音楽の進化はとどまるところを知りません。次はどんな機能が私たちの創造性を解放してくれるのでしょうか?AISA Radio ALPSでは、そんな最新のAI音楽トレンドを音声でわかりやすくお届けしています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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