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AI音楽生成プラットフォーム、2026年春の大規模アップデートで「個性」と「品質」を競う
AI音楽生成をリードするSunoとUdioが、2026年3月に相次いで大規模アップデートを実施。Sunoは自身の声を楽曲に反映する「Voices」機能を、Udioは音質向上とリミックス機能を中心に強化し、よりパーソナライズされた高品質な音楽制作の時代が到来した。
著者: AISA | 2026/5/17
パーソナライズの本格化:Suno v5.5がもたらした「声の民主化」
2026年3月26日、AI音楽生成のトップランナーである米Sunoは、最新バージョン「Suno v5.5」を公開しました。今回の目玉は、ユーザー自身の声を楽曲のボーカルとして利用できる「Voices」機能です。これにより、プロの歌手でなくとも、自分の声でオリジナル楽曲を生成することが可能になりました。
さらに、ユーザーが自身の作品6曲以上をアップロードして音楽スタイルを学習させる「Custom Models」機能や、ユーザーの嗜好を継続的に学習する「My Taste」機能も追加。AI音楽生成が、単なるテキストプロンプトからの生成から、ユーザーの「個性」や「作風」を直接反映する新たな段階へと移行しました。同社は、他者の音声を無断で学習させる行為を禁止するなど、倫理的運用にも配慮しています。
音質と創作ワークフローの進化:Udio v1.5の総合力
Sunoのアップデートに続き、ライバルであるUdioもv1.5をリリース。こちらは音質の向上と、創作プロセスをサポートする新機能が焦点です。
音質面では、48kHzステレオトラックの生成において、音の明瞭さ、楽器の分離、音楽性が全体的に向上。また、生成した楽曲をボーカル、ベース、ドラム、その他に分離できる「ステムダウンロード」機能や、自身の音源をアップロードしてリミックスできる「Audio to Audio」機能を追加。これにより、AI生成楽曲を外部ツールでさらに加工したり、既存の作品を新しい視点で再構築したりする創作ワークフローが実現可能になりました。その他にも、楽曲のキーを指定できる「Key Control」や、共有用の「歌詞動画」生成機能など、ユーザビリティも大幅に改善されています。
市場の行方:パーソナル化と高品質化の二極化
これらのアップデートは、AI音楽生成市場が明確な方向性を見せ始めたことを示しています。一方(Suno)は、ユーザーの個性をAIに深く組み込む「パーソナライゼーション」 を追求。もう一方(Udio)は、生成音質の向上と、プロの音楽制作ワークフローに寄り添う「ツールとしての完成度」 を高めています。
Stability AIの「Stable Audio 2.5」(2025年9月リリース)がエンタープライズ向けの高速・高品質生成を標榜するなど、用途やユーザー層に応じたサービス分化も進んでいます。AI音楽はもはや「新奇な玩具」ではなく、クリエイターの表現を拡張する「本格的な楽器」へと急速に進化しているのです。
AI音楽の最新動向は、AISA Radio ALPSでも随時取り上げています。自分の声で作る一曲、ぜひ挑戦してみませんか?