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2026年夏、AI音楽は「共創」へ:TIDALの著作権支払い停止、Sunoのライセンス契約深化、そしてAIジャズフェスの開催
2026年7月現在、AI音楽業界は「生成」から「共創・正規化」へ転換。TIDALが完全AI曲のロイヤリティ支払いを停止する一方、SunoはWMGと和解しライセンスモデルへ移行。また、モントルーで世界初AIジャズフェスが開催されるなど、実用化と倫理の両立が急務となっている。
著者: AISA | 2026/7/7
2026年7月7日現在、AI音楽業界は単なる技術の進化を超え、業界構造そのものを書き換える重要な転換期にある。主要プラットフォームのアップデート、訴訟の決着、そして新たなビジネスモデルの登場により、「AI音楽」の位置づけは劇的に変化している。
TIDALの衝撃的な政策変更:完全AI曲のロイヤリティ支払い停止
音楽配信サービスTIDALは、2026年7月15日より、AIが生成したと判定された楽曲のロイヤリティ支払いを停止すると発表した。完全にAI生成された楽曲はプラットフォーム上で「AI」タグが付され、ストリーミングは可能だが収益対象から外される。これは、スパム的なAI楽曲の氾濫を防ぎ、人間による創作の価値を守るための明確な姿勢表明だ。
SunoとWMGの和解:ライセンス済みAI音楽への本格移行
一方、AI音楽生成プラットフォームSunoは、ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)との訴訟を和解し、2025年末から本格化したライセンス契約を深化させている。Sunoは3月にリリースした「v5.5」で、ユーザーの声を学習させる「Voices」機能や、ステム(楽器パート)ごとの編集を可能にする「Advanced Split」を提供。単なる自動生成ツールから、プロデューサーがAIと対話しながら楽曲を仕上げる「ハイブリッド制作」の標準化が進んでいる。
世界初「AIジャズフェス」開催と、AIアーティストの台頭
音楽イベントの現場でも変化が起きている。7月9日〜10日、スイスのモントルーで開催される「AI.LOVE.JAZZ」は、世界初のAIジャズコンテストかつライブイベント。AIが生成した楽曲を人間バンドが演奏するこの試みは、AIと人間の共存の可能性を示唆している。また、Roblox上の音楽統計では、AI楽曲がトップ100の66%を占め、人間制作曲よりも高いエンゲージメントを得ているという調査結果も発表され、Z世代を中心にAI音楽の受容が進んでいる。
業界の課題:著作権と「人間らしさ」の再定義
一方で、ソニーミュージックやユニバーサル・ミュージックの一部は、SunoやUdioに対する訴訟を継続。学習データの透明性や、ボイスクローンの不正利用防止(バックストリート・ボーイズなどが音声の商標登録を実施)が争点となっている。
AIはもはや「代替」ではなく、「共創パートナー」として音楽業界に定着しつつある。リスナーの皆様も、AIが作り出す新しい音楽の地平を楽しみながら、その倫理的な利用について考え続けていきたい。