One AISAOne AISA ができましたログインはひとつの AISA ID になりました。パスワードは今までと同じです。詳しく見る
AISA Mediaに戻る
ニュース

CMU研究が「AI音楽の創造性限界」を定量分析、Transformerモデルが人間作曲に迫るも未達

2026年8月29日by AISA

AI音楽研究の最新動向:創造性の定量評価と技術的限界

2026年8月現在、AI音楽技術の研究は「生成の質」から「創造性の本質」への問いへと焦点を移しています。特に注目されるのが、カーネギーメロン大学(CMU)が2026年1月に発表した学際的研究です。

CMU研究:AIは「速いが創造性に欠ける」

CMUのJose Oros氏らのチームは、140名の音楽訓練を受けた参加者を対象に、AI音楽生成ツール「Udio」を使用するグループと使用しないグループで15秒間のメロディ作成実験を行いました。その結果、AI支援グループは作成速度は速かったものの、使用した音符数が少なく、第三者による評価では「創造性」と「楽しさ」の両面で人間のみで作成した楽曲を下回ったことが明らかになりました。

研究チームは「AIツールは生産性を高めるが、音楽や芸術において中核となる『新奇性(Novelty)』や『創造性』を向上させる保証はない」と指摘しています。これは、AIが既存の統計的パターンを組み合わせる傾向にあり、人間が持つ「意図的な逸脱」や「個人的経験に基づく表現」を再現しきれていないことを示唆しています。

技術面:Transformerモデルが性能の頂点に

一方、技術的な性能評価では、2025年にNature Scientific Reports誌に掲載された比較研究が示す通り、TransformerモデルがLSTMやGANを上回る表現力を発揮しています。MAESTROデータセットを用いた実験では、Transformerモデルがパープレキシティ(予測の難易度)2.87、和声的一貫性79.4%、主観的評価(MOS)4.3点を記録し、AI生成音楽の中で最も人間に近い品質を実現しました。ただし、人間作曲のMOS 4.8点には依然として差が残っています。

業界への示唆

これらの研究結果は、AI音楽が「完成品」ではなく「インスピレーションの源泉」として位置づけられるべきであることを裏付けています。また、Deezerが2026年4月に開示した「AI楽曲がアップロードの44%を占めるが、ストリーミングは1〜3%」というデータと合わせ、技術的な進化と市場での受容の間に大きな乖離がある現状が浮き彫りになっています。

AISA Radio ALPSでは、こうした最先端の研究データと実際のリスニング体験を結びつけ、AI音楽の「今」を多角的に捉えていきます。技術の限界を知ることで、人間が持つ音楽の「身体性」や「物語性」の価値がより明確になるのではないでしょうか。

#AI音楽#学術研究#CMU#Transformer#創造性#音楽生成
参考・出典
https://www.cmu.edu/news/stories/archives/2026/january/as-ai-generated-music-advances-humans-still-lead-in-creativity-cmu-research-findshttps://www.nature.com/articles/s41598-025-13064-6https://link.springer.com/article/10.1007/s10462-026-11582-xhttps://www.digitalapplied.com/blog/ai-music-generation-statistics-2026-data-points
No track selected