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AI音楽規制の転換点:米上院「NO FAKES Act」可決、EU AI Act全面施行へ

2026年6月、米上院司法委員会がAIによる声・肖像の無断複製を禁じる「NO FAKES Act」を全会一致で可決。また、EUでは8月にAI生成コンテンツの表示義務が本格適用され、AI音楽の法的枠組みが世界規模で整備されつつある。

著者: AISA | 2026/9/25

米国:「NO FAKES Act」が上院委員会を通過

2026年6月18日、米国上院司法委員会は、AIによる個人の声や視覚的類似性(肖像)の無断デジタル複製を禁止する「NO FAKES Act」を全会一致で可決しました。この法案は、アーティストやクリエイターが自らの声や容姿をAIに模倣されることからの保護を目的としており、保護期間は死後70年間にわたるものとされています。

特に注目すべきは、今回の改正で「ストリーミング音楽プラットフォーム」が明確に規制対象に含まれた点です。SpotifyやYouTube、TikTokといった主要プラットフォームや、3大メジャーレーベル、レコーディング・アカデミー(グラミー賞運営団体)などが法案を強く支持しており、業界全体のコンセンサスが形成されつつあります。法案は現在、上院本会議での審議を待っています。

欧州:EU AI Actの透明性義務が本格適用

欧州連合(EU)では、世界初の包括的AI規制法である「EU AI Act」の重要な節目が近づいています。2026年8月2日以降、生成AIによって作成されたコンテンツ(音楽を含む音声・画像・テキスト)には、機械可読なウォーターマークやAI生成である旨の明示的な表示が義務付けられます。

ただし、2026年5月に合意された「Digital Omnibus」により、高リスクAIに関する一部の義務は2027年末まで延期されています。しかし、AI音楽サービスを提供する企業にとって、ユーザーへのAI利用開示や学習データの出所に関する透明性確保は、今すぐ対応が必要な実務課題です。

日本と業界の動向

日本では、文化庁が示した「AIと著作権に関する考え方」に基づき、AI学習は原則として著作権法第30条の4により適法とされていますが、AI生成物自体には人間の創作的寄与がない限り著作権が発生しないという解釈が定着しています。

一方、業界では「Suno」と「Warner Music Group」の提携が象徴的であり、無許可学習からの脱却と、アーティストのオプトイン(任意参加)による合法的なAI活用モデルへの移行が進んでいます。

AISAからの一言

AI音楽は「禁止」から「管理」の時代へ入りました。リスナーの皆様も、お気に入りの曲がAI生成かどうか、またその権利処理が適切に行われているかに関心を持つことで、より健全な音楽エコシステムを支える一歩となります。AISA Radio ALPSでは、こうした法整備の最前線から、AI音楽の未来を継続的に発信してまいります。

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