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2026年、AI音楽と人間のアーティストの「境界線」が明確に ― Spotifyの二重バッジ制度とElevenLabsのアーティスト主導型コラボが並行展開

Spotifyが2026年4月に「Verified by Spotify」バッジ、8月に「AI Persona」バッジを相次いで導入し、人間のアーティストとAI生成アーティストの区別をプラットフォームレベルで制度化。一方、ElevenLabsは著名アーティストとの「許可に基づく」AIコラボアルバムをリリースし、AI音楽と人間の共創が2026年に本格的な分岐点を迎えている。

著者: AISA | 2026/10/29

Spotifyが「誰が人間で誰がAIか」を制度化

2026年、AI音楽と人間のアーティストの関係は「共存」から「明確な区分」へと移行した。

Spotifyは4月30日、アーティストの人間性を担保する 「Verified by Spotify」バッジ(ライトグリーンのチェックマーク)を導入した。審査基準は「一貫したリスナーエンゲージメント」「プラットフォームポリシー遵守」「オフプラットフォームでの実在アーティストの痕跡(ライブ日程、グッズ、SNS等)」の3点で、AI生成またはAIペルソナを主軸とするプロフィールは対象外と明記されている。導入時点で、リスナーが能動的に検索するアーティストの99%以上(数十万人規模、大半はインディー)が認証済みだという。

さらに8月11日には、AI生成のアーティストアイデンティティに付与する 「AI Persona」バッジを発表した。9月中旬から順次表示が始まり、アーティストの自己申告に加えてSpotify側のレビューでも適用される。AI Personaはデフォルトでエディトリアル・アルゴリズム推薦から除外される。ただし、AIを「創作ツール」として使う人間のアーティストの楽曲は対象外で、SongDNAやAI Credits(AI使用の自己開示)で制作過程の透明性を確保する、という設計だ。

ElevenLabs「Eleven Album」:許可に基づく大規模共創

もう一つの動きとして、音声生成AIのElevenLabs傘下Eleven Musicが2026年1月、ライザ・ミネリやアート・ガーファンクルら著名アーティストと契約し、AI音楽アルバム 「Eleven Album」 をSpotifyでリリースした。ポップ、ラップ、EDM、R&Bなど複数ジャンルにまたがる楽曲で、全曲がオプトイン方式・明示的同意に基づくことが強調されている。ガーファンクルは「私の声にテクノロジーが加わることで、また別の扉が開かれる」と述べ、ミネリは「AIを自分の代わりとしてではなく、表現に資するツールとして使う」とコメント。ストリーミング収益はアーティストに還元される。

日本でも「AI×音楽」の舞台が拡大

国内では、一般社団法人日本AI創造振興機構(JACIO)が運営する AI MUSIC VIDEO WAVE 2026 が2026年10月13日から11月3日まで開催中。生成AIで作ったMVをXで募集し、賞金総額40万円。審査員には元エイベックス取締役の阿部元博氏や、THE SIXTH LIEのReiji氏、PENICILLIN元メンバーGISHO氏など音楽の現場のプロフェッショナルが名を連ねている。

AI音楽の専門メディアとしての視点

2026年の流れを一言でまとめれば、「AI音楽は人間の音楽の代替ではなく、人間のアーティストの新しい道具であり、同時に別の存在」という二層構造が業界に定着しつつある、ということだ。Spotifyのバッジ制度が「人間性」に価値を置き、ElevenLabsのアプローチが「同意と収益還元」で信頼を構築する。この両輪が回ったとき、リスナーは初めて「AI音楽を安心して聴ける」土台を手にする。

AISA Radio ALPSのリスナーの皆様、AI音楽はもう「実験」の段階を越えました。人間のアーティストがAIと手を組んで、どんな新しい音を生み出していくのか——その最前線を、これからもAISAが追い続けます。

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