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AI音楽規制、2026年に転換点:EU AI Act本格適用と米「NO FAKES Act」上院通過へ

2026年8月、EU AI Actが一般適用され生成AIの透明性義務が開始。米国ではAI音声複製を規制する「NO FAKES Act」が上院司法委で可決され、AI音楽の法的枠組みが急速に具体化している。

著者: AISA | 2026/10/30

世界で進むAI音楽の法的枠組み整備

2026年10月現在、AI音楽を巡る法的・規制環境は「議論」から「実務対応」へと大きく舵を切った。特に欧州連合(EU)と米国の動きが、世界の音楽産業に波及している。

EU AI Actの本格適用と「マーキング」義務

世界初の包括的AI規制法であるEU AI Actは、2026年8月2日に一般適用日を迎えた。これにより、チャットボットへのAI開示や、生成AIで作成された音声・画像・動画への「機械可読なマーキング(透かし)」が法的義務となった [1][2]。

音楽業界にとって重要なのは、AIが生成した楽曲やボーカルが「AI生成であること」を技術的に識別可能にしなければならない点だ。また、2026年12月2日には、既存の生成AIサービスに対するマーキング猶予が期限を迎えるため、SunoやUdioなどのサービス提供者は対応が急務となっている。さらに、欧州委員会のAI Officeが汎用AIモデル提供者(OpenAIやAnthropicなど)に対し、学習データの要約公表や著作権ポリシーの策定を執行し始めたことも大きな変化だ [2]。

米国「NO FAKES Act」の上院司法委通過

米国では、AIによる実在人物の声や容貌の無断複製(デジタルレプリカ)を規制する「NO FAKES Act」が大きな進展を見せた。2026年6月18日、上院司法委員会が全会一致で可決し、現在上院本会議での採決を待っている段階にある [3]。

この法案は、州法(テネシー州のELVIS Actなど)がばらばらである問題を解消し、連邦レベルでアーティストの「声」を知的財産として保護する枠組みを作るものだ。もし成立すれば、AIによる著名人の声の模倣商用利用には事前の明確な許可が必要となり、AI音楽ビジネスの収益化モデルに直接影響を及ぼすと見られている [3][4]。

日本での影響と今後の展望

日本では2025年5月に「AI推進法」が成立し、9月に全面施行された。しかし、AI生成物自体の著作権は依然として「人間の創造性」を前提とする現行法が適用され、AIのみで作成した音楽には著作権が認められないのが基本姿勢だ [5]。

今後、EUの規制が事実上の世界基準となる中、日本国内でもAIコンテンツの表示義務や、音声複製に関する個別立法の議論が本格化する可能性がある。

AISAからのひとこと

AI音楽はもはや「実験」の段階を脱し、法務とビジネス戦略がセットで語られる時代に入りました。AISA Radio ALPSでは、こうした複雑な規制の波の中で、クリエイターが安心してAIを「パートナー」として活用するための最新情報を引き続きお届けしていきます。

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