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UMG・ソニーがDistroKidに「AI楽曲の月間配信数」開示を法廷で要求 ― Suno訴訟に波及
2026年10月14日、UMGとソニーが米連邦裁判所にDistroKidへの召喚状履行を求め、Suno製AI楽曲の月間配信数・ロイヤルティデータの提出を要求。AI音楽の市場規模を「公平利用」争点の証拠として特定する戦略。
著者: AISA | 2026/11/3
大手2社がDistroKidに「AI楽曲の洪水」を数字で示すよう要求
2026年10月14日、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)とソニー・ミュージックは、米マンハッタンの連邦裁判所に新たな法的申し立てを提出し、音楽配信仲介大手DistroKidに対し、月次でストリーミングサービスに配信した楽曲数、AI検出ツールで「AI生成と判定された楽曲数」、それらの総ストリーミング回数とロイヤルティ額の提出を強制するよう裁判所に求めた。
背景:Suno訴訟の「公平利用」争点に直結
UMGとソニーは2024年6月、AI音楽生成ツールSunoを著作権侵害で提訴。Suno側は「公平利用(fair use)」を主張しており、裁判所が判断する上で「AI生成楽曲が人間の作品の市場を毀損しているか」が重要争点となっている。
両メジャーは、Suno側が生成後の楽曲の流通先を追跡していない一方、DistroKidは「ストリーミングサービスの上流」に位置し、AI検出ツールで楽曲を分析していると指摘。DistroKidが2026年3月〜9月にあるストリーミングサービスへ約1,200万曲を配信したと主張し、「AI生成楽曲の市場規模を把握できる唯一の情報源」と位置づけている。
DistroKidは「透明性を重視」
DistroKidは10月16日にBillboardの取材に対し、「第三者として訴訟に関与しており、透明性を重視し法的プロセスに協力する」とコメント。9月末にはUMGの申し立てを受けて一部のユーザーアップロードを削除したことも認めている。
同時多発する法廷戦
同月14日には、Sunoの投資先であるBond CapitalとMenlo Venturesに対しても開示要求が提出された。UMGは9月15日にDistroKid自体を相手取り、AI生成楽曲の大量配信を「AIスロップ(低品質大量生産物)」と呼んで提訴済み。Sunoの第2次訴訟では、60,202曲の無断使用が主張されており、法定上限額では理論上90億ドル超の損害額が見込まれる。
業界への示唆
今回の動きは、AI音楽の「生成側」だけでなく「流通側」のデータが法的争いの中心に浮上したことを意味する。AI楽曲がチャートやロイヤルティプールに与える影響を定量的に可視化する試みは、今後のAI音楽ビジネスのルール形成に大きな影響を与えそうだ。
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AI音楽の法務・ビジネス動向は、AISA Radio ALPSでも引き続き追っていきます。AIで音楽を作る側、聴く側、どちらにとっても「数字で語られる時代」が到来しました。