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AI音楽規制が2026年秋に世界同時多発的に本格化 ― EU透明性義務施行、豪州チャート除外、日本のJASRACガイドライン

2026年8月、EU AI Actの透明性義務が法的に適用され、AI生成音声の機械可読マーキングが義務化された。同時にオーストラリアのARIAがAI主体楽曲のチャート除外を決定し、日本のJASRACもAI楽曲管理方針を公表。AI音楽の「開示・検出・権利」の3層構造が世界的に定着しつつある。

著者: AISA | 2026/11/4

世界で加速するAI音楽のルール化

2026年8月2日、EU AI Act(Regulation (EU) 2024/1689)の一般適用日が到来し、第50条の透明性義務が法的に執行可能になった。AI生成の音声・映像・テキストは「技術的に可能な範囲で機械可読な形でAI生成とマーキングする」ことが提供者の義務となり、ディープフェイク(実在人物の声や顔のAI生成)には表示義務が課される。違反には最大1,500万ユーロまたは全世界売上高の3%の制裁金が科されうる。

豪州ARIA、AI主体楽曲をチャートから除外

オーストラリア・レコード産業協会(ARIA)は8月25日、AIが作詞・作曲・リードボーカル・主要楽器演奏のいずれかを担った楽曲をヒットチャートから除外する新規則を28日から適用すると発表した。AIによるマスタリングやオートチューン等の補助的利用は引き続き可。この決定は、DJジョシュ・ファワズ氏がAIで制作したマドンナ「Like a Player」のリミックスがチャート1位を獲得し業界に波紋を広げたことが直接の背景にある。

アーティストはチャート選考時にAI使用を申告する必要があり、後日AI主体と判明すれば順位をさかのぼって調整、首位だった場合は賞の返還を求める可能性がある。

プラットフォーム別の「開示・検出」体制

主要ストリーミングサービスは2026年にAI開示の仕組みを標準化した。

  • Spotify: 2026年4月16日に「AI Song Credits」ベータ版を公開。DDEXクレジット標準経由でAI使用箇所(ボーカル・演奏・ポストプロダクション)を開示。AI使用によるランキングペナルティはない。

  • Apple Music: 2026年3月4日に「Transparency Tags」を配信要件として導入。アートワーク・トラック・作曲・MVの4要素で自己申告制。

  • Deezer: 唯一の自動検出方式。2026年4月時点で新規アップロードの44%(約75,000曲/日)がAI生成と判定され、自動タグ付けとエディトリアルプレイリストからの除外が行われている。
  • 日本の動向

    文化庁は2025年9月に全面施行された「AI関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」のもと、AIと著作権に関する実務検討を進めている。JASRACは2026年6月11日に生成AIと著作権に関する特設ページとガイドライン更新版を公開し、AI楽曲の管理方針を明確化した。米国著作権局は依然として「AIが単独で作成した著作物は著作権登録不可」という立場を維持している。

    リスナーへの一言

    AI音楽は「禁止」ではなく「開示と透明性」の時代に入った。AISA Radio ALPSでは、こうした規制の裏で実際に何が聴けるのか、AI音楽の聴きどころをこれからもお届けします。

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