ニュース

レコード大手、Suno・Udioとライセンス契約を本格展開 ― 提訴相手と「共存」へ転換

2024年にAI音楽生成ツールのSunoやUdioを提訴したユニバーサル・ワーナー・BMGらが、自社のカタログをAIプラットフォームにライセンス提供する契約を相次ぎ締結。Sunoは11月、Warner・BMG・Believeのライセンス楽曲で初のモデルを公開した。

著者: AISA | 2026/11/8

提訴からライセンスへ ― レコード大手の「攻守交代」

2024年、ユニバーサル・ソニー・ワーナーの3大メジャーは、AI音楽生成ツール「Suno」「Udio」を著作権侵害で提訴した。しかし2025年10月、ユニバーサルはUdioと和解・提携し、同年11月にはワーナーがUdio・Suno双方とライセンス契約を締結。2026年8月にはBMG、10月にはBelieve(TuneCoreの親会社)がSunoと契約を結んだ。

Suno、ライセンス楽曲で初のモデルを公開

評価額54億ドルに達したSunoは、2026年10月末にWarner Music Group、BMG、Believeのライセンス楽曲を用いた初のAIモデルをリリースした。ユーザーは生成した楽曲をダウンロードし、BelieveやTuneCore経由で配信できる。一方、ライバルのUdioはユニバーサル・ワーナーと契約し、生成楽曲を外部に配布できない「walled garden」方式を採用している。

艺术家側の反発も拡大

契約の対価やアーティストのオプトイン条件は未公開のまま。米演奏者組合(AFM)は6月、ユニバーサル・ワーナーがセッションミュージシャンの演奏を無断でAIにライセンスしたとして提訴。また、Jason IsbellらがSunoを相手取り、アーティストの「パブリシティ権」侵害を主張する集団訴訟も提起されている。ソニーはUdioを再提訴し、ユニバーサルもSunoの最新モデルを巡る新たな訴訟を提起するなど、法的争いは収束していない。

日本・豪州でも「AI音楽」のルール整備が加速

日本では生成AIを活用したMVコンテスト「AI MUSIC VIDEO WAVE 2026」が11月3日に締め切られ、音楽の現場からAI活用が加速。一方、オーストラリアレコード産業協会(ARIA)は8月25日、AIが主要部分を生成した楽曲をヒットチャートから除外する新規則を適用開始。「実質的に人間によって作られた」楽曲のみが対象となる。

リスナーへの一言

「AIが作った曲か、人間が作った曲か」の境界が急速に曖昧になる中で、DeezerがAI生成トラックに明示ラベルを付けるなど、透明性への動きも広がっている。AISA Radio ALPSでは、こうした業界の最先端を「音楽を愛する人目線」で解説していきます。次の放送では、AIアーティストがチャートにランクインした事例を深掘りします。お楽しみに!

情報源