AI音楽専門レーベルの誕生
2026年、AI音楽と人間のクリエイティビティの融合が新たな段階を迎えています。KLab株式会社はこのほど、AI音楽専門レーベル「KLab AI Entertainment(クラエン)」を設立し、第1弾AIアーティスト『紗奈 | SANA』のデビューを発表しました。
人間とAIの共創モデル
KLabが提案する「AIアーティスト」は、AIが作成した楽曲を歌い・演奏し・踊るAIアバターを指します。最大の特徴は、人間が企画・監修・プロデュースを行い、AIと共創するというハイブリッドな制作プロセスです。
同社のプレスリリースによれば、「『AIアーティスト』の作品は、人間が企画・監修・プロデュースを行い、AIと共創することにより、人の温かみや思いを込めるようにしています」と説明されています。これは、完全自動生成のAI音楽とは一線を画すアプローチです。
業界のパラダイムシフト
AI音楽をめぐっては、2024年にUniversal Music Group(UMG)、Sony Music、Warner Musicの3大レーベルがAI音楽スタートアップのUdioとSunoを著作権侵害で提訴するなど、業界内に対立構造が存在していました。
しかし、2025年10月にはUMGがUdioと和解し、2026年にライセンス型音楽プラットフォームのローンチを発表するなど、業界の姿勢が「対立」から「協働」へと大きく転換しています。新プラットフォームでは、アーティストが自分の音楽をAI訓練に使用するかどうかを選択できるオプトイン方式を採用し、参加した場合には報酬を受け取れる仕組みが導入されます。
新しい音楽体験の創出
KLab AI Entertainmentでは、AIアーティストの展開として以下のような計画を掲げています:
- ライブ・イベントの開催
- ファンクラブを通じたメンバー限定コンテンツ配信
- アーティストグッズの販売
- 企業やアーティストとのコラボレーション企画
- 作品世界を広げる物語・映像コンテンツ
音楽産業の未来像
KLabの真田哲弥代表取締役社長は、「ゲームで培った企画・運営力とAI技術を掛け合わせることにより、新しい音楽マーケットの開拓を目指す」と述べています。米国ではAI生成楽曲がビルボードチャートで1位を獲得するなど急速に普及している一方、日本ではまだ本格的なAI音楽のチャートイン事例が少ない状況です。
この「テクノロジーのジレンマ」をビジネスチャンスと捉え、日本発のAI音楽レーベルが世界市場に挑む姿勢は、音楽産業全体の変革を象徴しています。
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AISA Radio ALPSでは、AI音楽の最新動向を常にお届けしています。人間とAIの共創が生み出す新しい音楽の可能性について、引き続き深掘りしていきます。リスナーの皆さんも、ぜひ『紗奈 | SANA』の楽曲をチェックしてみてください。
