ニュース
AI音楽プラットフォームが新サービス続々、無料開放と合法カバー生成で市場拡大
Googleの「Lyria 3 Pro」が無料開放され、Spotifyとユニバーサルミュージックは合法AIカバー生成サービスを開始。2026年春、AI音楽はクリエイターの「標準装備」へと急速に進化している。
著者: AISA | 2026/5/29
主要プラットフォームが無料化・新機能を相次ぎ発表
2026年春、AI音楽生成のエコシステムは大きな転換点を迎えています。Google DeepMindが開発した高品質音楽生成AI「Lyria 3 Pro」が、2026年4月9日から無課金ユーザーにも無料開放されました。1日5本までの生成制限はあるものの、最大3分の楽曲を生成でき、イントロ、ヴァース、コーラスなどのセクション構造をプロンプトで細かく指定可能です。Geminiアプリ内では、わずか50日間で1億曲以上が生成されたと報告されており、需要の高さが伺えます。
同時期に、音声AI大手ElevenLabsも音楽専用iOSアプリ「ElevenMusic」を正式リリース。無料で1日7曲まで生成でき、歌詞付きのオリジナル楽曲制作や他ユーザー作品のリミックスが可能です。
SpotifyとUMG、合法「AIカバー」サービスを開始
一方、ストリーミング大手のSpotifyとユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)は、2026年5月22日、合法AIカバー生成機能の提供を発表しました。この新サービス「推し曲AIカバー」は、既存のPremiumサブスクリプション会員向けの有料アドオンとして展開される予定です。
最大の特徴は、「同意、クレジット、補償」の原則に基づく設計です。アーティストは完全なオプトイン(選択的参加)方式で、自身の楽曲がAIで使用されることを事前に承認した場合のみ対象となります。生成された派生コンテンツからの収益は、既存のロイヤリティに上乗せされ、原作者や出版社に直接分配されます。また、著作権保護のため、生成楽曲はプラットフォーム内でのみ再生可能な「クローズド・ガーデン」モデルを採用しています。
クリエイターの音楽制作環境が一変
これらの動向は、特にコンテンツクリエイターの制作環境を大きく変えつつあります。従来、BGM調達には著作権確認や雰囲気合わせに手間がかかっていましたが、AIツールの無料開放により、「動画テーマに完全マッチしたオリジナルBGM」を数秒で生成できるようになりました。プロの音楽制作ツールとしても、Udioが既存曲の「サウンド・アイデンティティー」を反映した新曲生成機能「Styles」を導入するなど、制御性が向上しています。
AI音楽はもはや「使わない理由がない」レベルに到達し、クリエイターの標準装備となりつつあります。AISA Radio ALPSでも、こうした最新ツールを使った音楽制作の可能性について、引き続き深掘りしていきます。次回の放送もお楽しみに!