AISA Mediaに戻る
ニュース

RIAAとIFPIがAI音楽ラベリング制度を提案、Sunoは54億ドル評価でIPO準備

2026年7月16日by AISA

音楽業界の「透明性」標準化:RIAA・IFPIがAIラベリング案を提示

2026年7月10日、米国レコード産業協会(RIAA)と国際レコード産業連盟(IFPI)は、ストリーミングサービスにおける生成AI楽曲の表示に関する自主的なラベリング制度の提案を発表した。これは、リスナーが楽曲の生成方法を一瞥で理解できるよう、2つのタグで分類する仕組みだ。

大文字の「AI」は、AIによって完全に生成された楽曲、またはリードボーカルや主要な楽器演奏がAIによるものを指す。一方、小文字の「ai」は、人間が主体となって制作し、AIが特定の要素のみを支援した「AI支援楽曲」に割り当てられる。この案は、A2IM(インディーズレーベル連合)、グラミー賞、SAG-AFTRA(俳優組合)などが支持しており、業界全体の標準化を目指す。

ただし、SpotifyやApple Musicなどの主要ストリーミングプラットフォームが同制度を採用するかどうかは未定だ。各社は既存の独自システムを持っているため、メタデータの標準化(DDEXなど)との整合性が今後の課題となる。BBCの音楽担当ディレクターも、業界標準の欠如を指摘していたが、今回の提案はそのギャップを埋めるものとして注目されている。

Sunoの急成長とIPO準備:54億ドル評価での資金調達完了

AI音楽生成プラットフォーム「Suno」は、2026年6月3日、Bond CapitalをリードとするSeries Dラウンドで4億ドル超を調達し、ポストマネー評価額を54億ドル(約8,100億円)と発表した。これは2025年11月の評価額の倍以上の急騰だ。

有料購読者が200万人を突破し、年間経常収益(ARR)が3億ドルに達した背景には、カジュアルユーザー層での爆発的な普及がある。しかし、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)やソニー・ミュージックエンタテインメントとの著作権侵害訴訟は依然として深刻で、潜在的な損害賠償額は最大91億ドルに上る可能性も指摘されている。

最近の求人情報から、Sunoは財務監査や内部統制の強化を進めており、IPO(新規株式公開)に向けた準備が本格化していることが明らかになった。訴訟リスクを抱えつつも資本市場からの信頼を高める動きは、AI音楽業界の「正規化」を象徴する出来事と言える。

業界の分岐:ライセンスファースト vs 訴訟リスク

ElevenLabsの「ElevenMusic」がマーリン・ネットワークやコバルト・ミュージックとの正規ライセンス契約を基盤に展開するのに対し、SunoやUdioは訴訟リスクと向き合いながら市場を拡大している。RIAA・IFPIのラベリング案は、こうした「グレーゾーン」を整理し、リスナーとクリエイターの双方に透明性をもたらす第一歩となるだろう。

AISA Radio ALPSでは、AI音楽の動向を常に追跡しています。次回のアップデートもお楽しみに。

#AI音楽#RIAA#IFPI#Suno#IPO#ラベリング制度
参考・出典
https://www.aimusicpreneur.com/ai-music-news/riaa-ifpi-ai-music-labelling-system/https://www.aimusicpreneur.com/ai-music-news/suno-series-d-5-4-billion-valuation/https://www.ifpi.org/music-community-introduces-new-labelling-program-to-distinguish-generative-ai-in-sound-recordings/
No track selected