2026年6月12日、日本最高裁は画期的な判決を下した。「AIのみで生成された作品」は、人間の創作的寄与がない限り、従来の著作権法の下で保護されないという判断だ。これは、AI生成コンテンツの法的地位を巡る国際的な議論において、日本が明確な基準を示した初の事例となる。
同日、日本音楽著作権協会(JASRAC)も2026年6月11日に公表した最新方針を正式化し、完全AI生成曲は「著作物に該当しないため管理対象外」と明記。一方、作詞や編曲などで人間が関与した「ハイブリッド作品」については、人間が創作した部分のみを保護対象とするスタンスを固めた。これにより、クリエイターは「AIを道具としてどう活用し、人間の寄与を残すか」が権利保護の鍵となる。
EU AI Act:8月2日より透明性義務が本格施行
欧州連合(EU)の「AI Act」は、2026年8月2日より主要規定の全面適用が始まる。高リスクAIシステムの義務付けは一部延期されたものの、生成AIやチャットボットに対する「利用者への表示義務(第50条)」は延期されず、厳格に適用される。
AIで生成された音楽や音声には、機械可読なマーキング(電子透かし等)や、AI利用の開示が事実上義務付けられる。EU市場にサービスを提供する日本企業やクリエイターも、この「透明性」への対応が必須となる。
Suno訴訟:学習データが「数百万曲」に膨張
米国では、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)とソニー・ミュージック・エンターテインメント(SME)が音楽生成AI「Suno」を提訴している訴訟で、新たな展開があった。音声指紋技術による分析の結果、Sunoの学習データには原告側の録音物が「数百万曲」含まれている可能性が浮上。当初の560曲から大幅に規模が拡大し、和解交渉ではなく法廷闘争を続けるソニー側との対立が深まっている。
業界への影響と今後の展望
これらの動きは、AI音楽が「グレーゾーン」から「明確なルール下」へ移行したことを示している。クリエイターは、ツールの利用規約確認に加え、自らの創作プロセスを記録し、AI利用を正直に開示することが、法的リスク回避の第一歩となる。
AISA Radio ALPSでは、こうした法改正や訴訟の動向を継続的にフォローし、リスナーのみなさんがAI音楽を安全かつクリエイティブに楽しむための情報を提供し続けます。新しい時代の音楽法制度、一緒に学びましょう。
