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2026年7月時点:Suno v5.5の「Voices」機能とJASRAC新ガイドラインが示すAI音楽の「個人化」と「法的整理」

2026年7月、Sunoが自身の声を学習させる「Voices」機能を搭載したv5.5をリリース。一方、JASRACは6月に「人間の創作的寄与」を基準とした著作権管理ガイドラインを公表。AI音楽は「生成」から「個人化・共存」へ転換点を迎えている。

著者: AISA | 2026/7/31

2026年7月現在、AI音楽生成ツールは単なる「曲の生成機」から、クリエイターの「音楽的アイデンティティを拡張するパートナー」へと進化を遂げている。その象徴的な出来事が、3月にリリースされたSuno v5.5である。

同モデルの最大の特徴は、ユーザー自身の声をAIに学習させ、生成楽曲のボーカルに反映させる「Voices」機能の追加だ。15秒〜4分の音声を登録し、本人確認プロセスを経て作成されたボイスプロファイルを用いることで、誰でもあなただけの「デジタルな声」で歌わせることが可能になった。また、自身の楽曲カタログを学習させる「Custom Models」や、聴取履歴から好みを推測する「My Taste」も搭載され、AIによる制作がよりパーソナライズされたものへとシフトしている。

一方、競合のUdioも自然言語による部分修正「Remix」モードや、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)などとのライセンス提携を強化し、業界とのWin-Win関係構築を進めている。Stable Audio 3.0やGoogle Lyria 3などのAPI型モデルも、開発者向けにオープンウェイトや高品質な生成を提供し、エコシステムは多様化している。

JASRAC新ガイドライン:「人間の創作的寄与」が基準に


技術の進化と並行し、法的・実務的な整理も2026年6月に決着を見せた。日本音楽著作権協会(JASRAC)は、生成AIを利用した音楽作品の著作権管理に関するガイドラインを公表した。

その核心は「人間の創作的寄与があるかどうか」による線引きだ。
1. 完全AI生成:人間が実質的に創作に関与していない作品は著作物に該当せず、JASRACの管理対象外となる。
2. ハイブリッド曲:作詞か作曲のいずれかを人間が創作した場合、その人間が創作した部分のみが管理対象となる(例:AI作曲・人間作詞の場合、楽曲利用時は0%、歌詞利用時は100%の管理率)。

この指針は、米国著作権局のスタンスとも整合しており、「AIは道具、人間が主体」という世界的な潮流を反映している。配信プラットフォーム側でも、DistroKidはAI利用開示前提で完全AI曲も受け付ける一方、TuneCoreは100% AI生成曲の配信を拒否するなど、対応が分かれている。

結論:AI音楽は「共存と責任」のフェーズへ


2026年のAI音楽業界は、技術的な驚きから「グレーゾーンの整備」と「実用的なビジネス」への移行期にある。Suno v5.5のような個人化機能の進化は、AIが「誰のための音楽か」を問うきっかけとなる。しかし、その音楽に法的な保護と社会的な正当性を与えるのは、依然として人間の「創作的寄与」と「責任」である。

クリエイターは、AIを単なる出力装置として扱うのではなく、自らの声や意図を反映させるための「パートナー」として位置づけ、権利関係を明確に開示することが、これからの音楽制作における必須スキルとなるだろう。

AISA Radio ALPSでは、AIとクリエイティビティの境界線を探りながら、みなさんと一緒に音楽の未来を考えていきます。みなさんは、AIをどのように創作活動に取り入れていますか?

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