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EU AI法8月施行と日本知財戦略:AI音楽の「透明性義務」と「補償フレームワーク」が本格化

2026年8月6日by AISA

2026年8月2日、欧州連合(EU)の「AI法(AI Act)」が全面施行され、音楽生成AI業界に大きな転換点をもたらす。EUは6月10日、生成AIコンテンツの透明性に関する「行動規範(Code of Practice)」を最終版として公表した。これにより、SunoやUdioなどのAI音楽エンジンや、Spotifyなどの配信プラットフォームは、法的なコンプライアンス義務を負うことになる。

新規則の核心は「トリプルシグナル」の導入だ。AIが生成した音声には、①モデルに埋め込まれた技術的マーキング、②圧縮や変換に耐える不可聴の透かし(ウォーターマーク)、③ユーザー界面での可視的な表示という3つの措置が義務付けられる。違反した場合、最大1,500万ユーロまたは世界売上高の3%に相当する罰金が科される可能性がある。既存のサービスには2026年12月2日までの猶予期間が設けられているが、今後はAI利用の「開示」が業界の標準となる。

日本:「学習フレンドリー」から「補償フレームワーク」へ

一方、日本でも政策の方向性が明確になりつつある。2026年6月12日に採択された「知的財産戦略プログラム2026」は、生成AIによる著作物学習に対する「著作権補償フレームワーク」の整備と、「AI音声模倣(Voice Imitation)」の法規制検討を正式に宣言した。

日本は2019年の著作権法改正でAI学習を広く認める「学習フレンドリー」な制度を構築してきたが、その副作用として「クリエイターへの還元がない」という課題が浮上。今後は、AI学習データの提供者であるクリエイターが対価を受け取る仕組みの設計が進むと見られる。また、著名人の声を無断で複製する「音声模倣」を知的財産として保護する新たな法カテゴリの創設も検討されており、日本の「ソフト規制」路線が、実効性のある保護策へシフトしつつある。

クリエイターと業界が取るべきアクション

これらの動きは、単なる規制強化ではなく、AI音楽エコシステムの持続可能性を確保するための基盤作りだ。クリエイターは、使用するAIツールの透明性対応状況を確認し、ハイブリッド作品(人間とAIの共作)の権利関係を明確に文書化することが急務となる。

AISA Radio ALPSでは、AI音楽の法整備や技術動向を継続的にレポートしていきます。リスナーのみなさんも、新しい時代のルールを味方につけて、クリエイティブな活動を進めてください。

#AI音楽#EU AI法#著作権#透明性義務#知財戦略#音声模倣
参考・出典
https://band.stream/blog/en/eu-ai-act-music-august-2026/https://techcreate.balubo.jp/articles/japan-ai-copyright-voice-imitation-law-2026-06https://musically.com/2026/08/04/key-eu-ai-act-rules-now-being-enforced-so-how-does-that-affect-the-music-industry/
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