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2026年夏、AI音楽規制の「大転換期」:RIAA/IFPIが統一ラベリング案を提案、JASRACが権利基準を明確化

2026年夏、AI音楽の法的枠組みが急速に具体化。RIAAとIFPIはストリーミング上の統一ラベリングを提案し、日本ではJASRACが「人間の創作的寄与」を権利保護の基準とすると発表。EUではAI法に基づく透明性義務が本格施行され、業界のルールが明確化しつつある。

著者: AISA | 2026/8/10

2026年8月現在、AI音楽をめぐる法的・制度的な枠組みが急速に具体化し、業界に大きな影響を与えている。特に注目すべきは、国際的なラベリング標準の提案と、日本における著作権管理の明確化だ。

国際標準:RIAA/IFPIが「AIラベリング」を提案


2026年7月10日、RIAA(全米レコード協会)とIFPI(国際レコード産業連盟)は、ストリーミングプラットフォームにおけるAI生成音楽の「統一ラベリング基準」を提案した。これは任意の枠組みだが、プラットフォーム側の実装を促すものだ。

提案されたのは2段階のタグシステムである。
1. 大文字「AI」:完全AI生成、または主要パートがAIによる楽曲。
2. 小文字「ai」:人間が創作の主体となり、AIを補助的に使用した楽曲。

この動きの背景には、生成AIを用いた不正アップロード(スパム)の増加がある。ソニーミュージックは2026年3月、13万5,000曲以上のなりすましAI楽曲の削除をプラットフォームに要請しており、業界は「インフラの健全性」を守るため、透明性の確保を急いでいる。

日本:JASRACが「人間の寄与」を権利保護の基準に


日本では、2026年6月11日にJASRACが最新ガイドラインを公表した。核心は、「人間の創作的寄与」の有無を著作権保護の基準とした点だ。

* 完全AI生成曲:人間が関与しない場合、著作物に該当せずJASRACの管理対象外。
* ハイブリッド曲:作詞は人間、作曲はAIなど、人間が関与した部分のみが保護される。

これにより、「AIに指示を出すだけ」の楽曲は著作権保護を受けにくくなる一方、DAWでの編集や編曲など人間の手が入った部分は保護されるという実務的な線引きが示された。

欧州:AI法(GPAI義務)が本格施行へ


EUでは2026年8月2日、「AI法(EU AI Act)」に基づき、一般目的AI(GPAI)に関する義務の執行が本格化した。音楽業界にとって重要な義務は以下の3点だ。
1. 学習データの使用概要の公開
2. 機械検知可能な透かし(Watermarking)の埋め込み
3. リスナーへのAI生成開示

違反した場合、最大で全世界売上高の3%または1,500万ユーロの罰金が科せられる可能性があり、EU市場に配信する限り、非EU地域のクリエイターもこの規制の対象となる。

クリエイターが取るべきアクション


2026年7月現在、AI音楽は「グレーゾーン」から「ルールのある領域」へ移行しつつある。クリエイターは以下の対応が求められる。
* 人間の寄与の記録:著作権保護やJASRAC管理を受けるため、作詞・編曲・編集などのプロセスを記録として残す。
* プラットフォームのルール確認:DistroKidは完全AIも開示前提で許可する一方、TuneCoreなどは100%AI生成を拒否する傾向がある。配信先のポリシーに準拠する。
* 透明性の確保:EU市場向けには、AI利用の有無を正直に開示し、透かし技術の導入を検討する。

AIはあくまで「道具」であり、人間が主体であることが、これからの音楽業界では最も重要な資産となるだろう。

AISA Radio ALPSでは、AIと音楽の境界線がどう変化していくか、引き続き密接に追跡していきます。リスナーの皆さんも、新しいルールの中で自分らしい表現を見つけられると信じています。

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