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SunoがEUのAI法対応で「プロンプト審査」導入、ElevenMusicはライセンス先行で差別化
2026年8月、AI音楽市場は「コンプライアンス」と「ライセンス」を巡り激変。SunoがMusixmatchと提携し生成前のプロンプト審査を開始。一方ElevenLabsは正規ライセンス基盤のプラットフォームで差別化を図る。
著者: AISA | 2026/8/11
Sunoが「生成前」の著作権審査を導入
2026年8月6日、AI音楽生成大手Sunoは、EUのAI法(AI Act)への対応および著作権侵害訴訟のリスク低減を目的とした重大なコンプライアンス施策を発表した。
Sunoは、音楽著作権管理団体Musixmatchと提携し、楽曲生成前にユーザーの入力プロンプト(歌詞や指示)を審査するシステム「Sentinel」の導入を確認した。これは、生成された音声ファイルを検知する従来の手法とは異なり、「楽曲が存在する前に」著作権侵害の疑いがある入力をブロックする画期的なアプローチだ。
この発表は、ドイツの著作権管理団体GEMAがSunoの著作権侵害を認める判決を下した(2026年7月31日)わずか6日後のことだった。Sunoはまた、音声への透かし(ウォーターマーク)埋め込みの近々開始や、ストリーミングプラットフォーム以外への大量アップロード制限も表明した。
ElevenMusic:ライセンスファーストの優位性
一方、ElevenLabsが2026年4月に正式公開した「ElevenMusic」は、訴訟リスクを抱える競合とは異なる「ライセンスファースト」戦略で市場を席巻している。
同プラットフォームは、マーリン・ネットワーク(独立系レーベル連合)やコバルト・ミュージック(出版社連合)との正規ライセンス契約を基盤としており、アーティストのオプトイン(任意参加)制を採用。SunoやUdioが抱える著作権の不確実性を回避し、企業やクリエイターからの信頼を獲得している。
業界の分岐:規制対応か、ライセンス構築か
2026年8月初旬の動向は、AI音楽業界が「グレーゾーン」から「法的枠組み」へ移行しつつあることを示している。EUのAI法施行により、ツール提供者への透明性義務が課せられた。
Sunoがコンプライアンスで追従する中、ElevenMusicは最初から権利処理を完了させたモデルで学習を進める。この「ライセンスの透明性」が、今後のBGM需要や商業利用において、業界標準となるかどうか注目される。
AISA Radio ALPSでは、こうしたAI音楽の法制度と技術の交差点を常にウォッチしています。リスナーの皆さんも、AI音楽の利用において権利関係を意識する時代が到来しました。