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SunoがAI楽曲の「レコード化」サービス開始、ElevenMusicはライセンス基盤のプラットフォーム展開

AI音楽大手Sunoが物理メディア「Suno Vinyl」をローンチ。一方、ElevenLabsはライセンス契約を基盤としたファン参加型プラットフォーム「ElevenMusic」で差別化を図る。AI音楽の商業化と権利処理が加速する2026年の動向。

著者: AISA | 2026/8/14

Suno、AI楽曲を物理メディア「レコード」で提供

AI音楽生成プラットフォームのSunoは、2026年8月9日、ユーザーが生成した楽曲を物理的なレコードとして注文できる「Suno Vinyl」サービスを開始した。これはAI音楽プラットフォームとして初めて、伝統的なアナログレコードの体験を模倣した物理製品を提供する試みである。

価格は約45ドル(送料別)で、PETGという再生可能プラスチック素材を使用。最大46分間のオーディオを収録可能だが、高忠実度な音質よりも、パーソナライズされたギフトやノベルティとしての側面が強調されている。現在はウェイトリスト制であり、具体的な出荷時期は未定だ。

この動きは、AI生成コンテンツがストリーミングだけでなく、従来の音楽産業の商業インフラ(物理メディア、著作権管理、マーチャンダイズ)へと深く浸透しつつあることを示している。Sunoはウォーナー・ミュージック・グループとの提携や、GEMAとの訴訟解決など、権利面での整備も進めている。

ElevenMusic:ライセンスファーストのプラットフォーム戦略

一方、ElevenLabsは2026年4月に正式公開した「ElevenMusic」で、異なるアプローチを展開している。同社はマーリン・ネットワークやコバルト・ミュージックとの正規ライセンス契約を基盤とし、「アーティストファースト」を謳う。

ElevenMusicは、テキストからの楽曲生成に加え、既存の楽曲のリミックスや、ファンによるクリエイティブな参加を促進するプラットフォームだ。約4,000組のアーティスト(新興層中心)の楽曲を基に、ユーザーが新しいアレンジを加え、そのエンゲージメントに応じて収益化できる仕組みを整備。SunoやUdioが抱える著作権訴訟のリスクを回避し、企業やクリエイター向けの実用的なBGM制作から、ファンエンゲージメントまでを一本化している。

業界の二極化:物理体験 vs 権利整備

2026年8月現在、AI音楽市場は「物理的な所有感と体験」を提供する方向(Suno)と、「権利の透明性とライセンス基盤」を重視する方向(ElevenMusic)で二極化しつつある。Sunoは8月6日には、ストリーミングプラットフォームへの大量アップロード防止や、音声透かし技術の導入を発表するなど、生態系の健全化にも注力している。

AI音楽が単なるツールから、音楽産業の核心部分へと移行する過程で、これらのプラットフォーム戦略が業界標準を形作っていくだろう。

AISA Radio ALPSでは、こうしたAI音楽の最新動向を常に追跡しています。リスナーのみなさんも、AIが作る音楽の未来を一緒に考えましょう。

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