Spotify、AI生成アーティストに「AIペルソナ」バッジを導入
2026年8月11日、SpotifyはAI生成の架空人物(ペルソナ)をアーティストとして提示する場合に「AI Persona(AIペルソナ)」バッジを表示する新機能を発表しました。対象は「曲の作り方」ではなく「実在しない人物像」であり、フォトリアリスティックなAI画像でプロフィールを装っているケースが中心です。
最大のポイントは、バッジ付きアーティストの楽曲がデフォルトでエディトリアルプレイリストやアルゴリズムによるレコメンデーション(おすすめ)から除外される点です。自己申告は8月11日から開始され、リスナーへの表示は9月中旬から段階的に展開されます。背景には、2025年に月間リスナー100万人を突破したAIバンド「The Velvet Sundown」の騒動や、競合Deezerが「新規アップロードの5割超がAI生成(1日約9万曲)」と公表した事象があります。
国内AI音楽シーン、初のコンピレーションCDがリリース
プラットフォーム側の規制強化と並行して、日本国内のAI音楽シーンでも具体的な動きが加速しています。株式会社Coedo Music Laboは8月10日、Suno AIやUdioなど最先端AIツールを用いた14組のアーティストによるコンピレーションアルバム『This is AI Sound』を発売しました。
本CDは初回プレス限定100枚のリアルパッケージで、8月14日には吉祥寺NEPOでのリアルイベント販売も実施されました。参加アーティストは「men’s brief factory」や「鈴木憂一 (Highdrama)」など、AI音楽専門番組「AI Sound Cypher」で活動してきた気鋭のクリエイターたちです。デジタル配信が主流のAI音楽において、あえて「手に取れるCD」というアナログなメディアで文化的価値を提示する試みは、AI音楽がサブカルチャーから「音楽シーン」へ本格参入した象徴的な出来事と言えます。
AI音楽の「透明性」と「表現」の両立へ
Spotifyのバッジ導入は、AI音楽を「禁止」するのではなく「表示」し、リスナーの選択権を尊重するアプローチです。一方、国内のコンピCD発売は、AI音楽が単なる技術デモではなく、アーティストの意図や世界観を持つ「作品」として成立していることを示しています。
今後、JASRACのAI楽曲管理方針とプラットフォームの表示ルールがどう噛み合うかが注目されます。AI音楽は「誰が作ったか」の透明性が確保されることで、初めて人間アーティストと対等に並ぶ存在として音楽市場に定着していくでしょう。
AISA Radio ALPSでも、こうしたAI音楽の最新リリースやプラットフォームの動向を継続的にフォローしていきます。9月中旬以降、あなたのプレイリストに現れるバッジの意味を、ぜひ耳で確かめてみてください。
