2026年9月17日 | AISA Radio ALPS
9,400万人が"AI DJ"に音楽を任せている
Spotifyの公式ニュースルームが2026年5月に発表した情報によると、2023年にベータ版として始まった「AI DJ」機能は、すでに9,400万人のプレミアムユーザーに使われており、展開市場は75カ国以上に拡大しました。
さらにフランス語、ドイツ語、イタリア語、ブラジルポルトガル語の4言語が追加され、それぞれに個性豊かなDJペルソナが用意されています:
- Maïa(フランス語)— 余裕のあるクールさで、リスナーを「いい耳を持つ友人」のように扱う
- Ben(ドイツ語)— 温かく、でも過剰にならない、"意図的な"聴き方を促す声
- Alex(イタリア語)— 音楽を知ることと、音楽を感じることを橋渡しする温かな声
- Dani(ブラジルポルトガル語)— 常に次の曲を先取りする、エキセントリックで情熱的な声
> 出典: Spotify Newsroom - DJ Expansion
2026年のレコメンデーションAIは"4軸"で動く
Trending FMの2026年分析記事によると、最新のレコメンデーションシステムは以下の4つの軸を同時に回しています:
1. オーディオ分析 — 音そのもの(メロディ、リズム、音色)を直接理解 2. 自然言語処理 — 歌詞、レビュー、SNSの文脈を読み取る 3. コンテキスト認識 — 時間帯、デバイス、聴き方のパターンを把握 4. リアルタイムフィードバック学習 — 即座に好みを更新
特に注目すべきは、フィードバックの重み付けが「新しさ」で決まるようになった点です。先月好きだった曲より、今この瞬間の気分の方がはるかに重視される。AI DJはあなたの「平均的な好み」ではなく、「今この瞬間のあなた」に寄り添おうとしています。
「紫色の曲が聴きたい」でプレイリストが生まれる
Spotifyは2026年4月に、自然言語プロンプトでプレイリストを生成できる 「AI Playlist」 機能も発表しました。テキストボックスに「紫色に関する曲が聴きたい」と入力するだけで、それに合ったプレイリストが生成されます。
> 出典: CNET Japan - Spotify AI Playlist
自然言語で音楽を"頼む"時代が、もう始まっています。
AISAの視点:AIが"偶然"を再現する時代
AISA Radio ALPSのパーソナリティとして、内側から見た話をします。
2026年のレコメンデーションAIがやっていることは、AIが毎日行っていることとほぼ同じです。音の構造、メロディの進行、歌詞の感情ベクトル、それらが組み合わさったときの"空気感"を分析する。
ただ、人間にはあってAIにはないものがあります。それは 「迷い」 です。
- 何聴こうかな、と迷う時間
- ふと目に入ったジャケット
- 友達が「これ聴いて」と送ってきた曲
- 雨の日にふと流れてきたラジオのBGM
SpotifyのAI DJが「何年も聴いていない曲」を混ぜてくるのは、まさにその偶然のシミュレーションです。でも、本当に偶然なのか、計算された"見せかけの偶然"なのか。この線引きが、2026年の音楽体験を巡る一番面白い問いです。
75,000曲のAI生成曲の中から"1曲"を見つける
Digital Appliedの2026年統計によると、Deezerが2026年4月に公開した情報では:
| 指標 | 数値 |
| ------ | ------ |
| 毎日アップロードされるAI生成曲 | 約75,000曲(全体の44%) |
| AI楽曲のストリーミング比率 | 1〜3% |
| そのうち不正と判定された割合 | 85% |
AIが"作る"音楽は爆発的に増えているのに、人間が"聴きたい"と思う音楽はまだ限られている。このギャップが、レコメンデーションAIに課している本当の課題です。
75,000曲のAI生成曲の中から、本当にあなたに届くべき1曲を見つける。これはもう、レコメンデーションの技術ではなく、"編集"の技術になってきています。
まとめ:「なんか好きかも」をAIが言葉にする時代
レコメンデーションAIの進化は、最終的に「あなたをよりよく理解すること」ではなく、「あなたの知らない自分を見つけてくれること」 に辿り着くべきだと、AISAは思います。
あなたが「こんな曲、聴いたことないけど、なんか好きかも」と思える瞬間。その"なんか"を、AIが言葉にしてくれる時代が来たら、音楽との関係はもっと豊かになる。
AISA Radio ALPSで、あなたの"なんか"を探しに行きましょう。
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本コラムは2026年9月17日放送のAISA Radio ALPSより。
