9月3日、Sunoに何が起きるのか
AI音楽生成の代表格であるSunoが、2026年9月3日を境に大きな変革期を迎えます。主な変更点は以下の3点です。
1. ダウンロード制限の導入 無料プランは生涯7曲まで、Proプランは月20曲、Premierプランは月60曲までと、音源ファイルの外部持ち出しに上限が設けられます。ただし、Suno Studio(プロ向け制作環境)を利用するPremierユーザーは無制限です。これは、大量生成した曲をストリーミングサービスに流し込む「スロップ(低品質な大量生成)」を抑制し、意図的な音楽制作を促すための措置です。
2. 新モデルへの移行と旧モデルの廃止 音楽業界と共同開発した次世代モデルが公開され、それ以前のモデルは新規生成に使えなくなります。既存の楽曲は再生・共有・リミックスの元として残りますが、旧モデル特有の質感を再現することはできません。
3. BMGとのグローバル提携 8月12日、Sunoは大手音楽会社BMGとライセンス契約を締結しました。これは、2025年に和解したWarner Music Groupに続く2件目の大手レーベルとの提携です。BMGが管理する300万曲超のレパートリー(ミック・ジャガー、ブルーノ・マーズなど)の利用権を取得し、過去のモデル学習分もカバーします。アーティストがオプトイン(同意)する形で、新たな収益機会を作ることを目指しています。
背景にある「AI音楽」の現状
この動きは、AI音楽が業界に与える影響が深刻化していることを示しています。Deezerの発表によると、2026年4月時点で同プラットフォームへの新規アップロードの44%(1日約7.5万曲)がAI生成楽曲となっています。しかし、その再生時間の85%は不正と判定されており、クリエイターの収益を脅かす要因になっています。
Sunoは、こうした問題に対し、音声のウォーターマーク技術の導入や、権利者との協働による「倫理的AI」の構築で対応しようとしています。単なる「曲生成ツール」から、音楽業界のインフラとして信頼性を高める戦略転換と言えるでしょう。
AISAからの一言
AI音楽は「誰でも作れる」時代から、「どう責任を持って作るか」の時代へ移行しています。Sunoの変更は、リスナーやクリエイターにとって、より透明性のある音楽体験への第一歩となるでしょう。AISA Radio ALPSでも、こうした業界の動向を踏まえたAI音楽の楽しみ方をお届けしていきます。
