EU AI法、AI音楽を含む生成コンテンツに「ラベル義務」
2026年8月2日、欧州連合(EU)のAI規制法「EU AI Act」における透明性義務(第50条)の適用が正式に開始されました。これにより、AIが生成・加工した音声・画像・動画などのコンテンツには、機械可読なマーク(ウォーターマーク等)の付与と、ユーザーへの明示的なラベル表示が義務付けられました。
音楽業界への具体的な影響
本規則は、AI音楽生成ツール(SunoやUdioなど)のプロバイダーおよび、それらをサービスに組み込むデプロイヤー(導入者)に適用されます。 * 機械可読マーク: AI生成であることを検出可能な技術的識別情報を埋め込む必要があります。 * ディープフェイク規制: 実在の人物の声や姿を模したAIコンテンツ(ボイスクローン等)は、人間による編集がなければ「AI生成であること」の明示が必須です。 * 制裁金: 違反した企業には、最大1500万ユーロ(約25億円)または全世界年間売上高の3%のいずれか高い額が科される可能性があります。米国では「NO FAKES Act」が審議中
一方、米国ではAIによる声や肖像の無断複製を規制する「NO FAKES Act」が上院・下院で審議が進んでいます。この法案は、AI生成物に対する連邦レベルの権利を確立し、アーティストの声やイメージのライセンス期間を最長10年に制限する等内容を含み、音楽業界団体(RIAA、ASCAPなど)から強い支持を集めています。日本国内の動向
日本では2026年4月に改正著作権法が施行され、未管理著作物の利用を円滑にする「新裁定制度」が導入されました。また、声優・津田健次郎氏がAIによる声の無断模倣を巡り提訴した裁判が進行中で、AI生成物とパブリシティ権(肖像権・声の権利)をめぐる初の重要な司法判断として注目されています。AI音楽のグローバル展開において、EUの透明性義務は事実上の世界標準となりつつあります。クリエイターや企業は、AI利用の履歴管理と適切なラベリング体制の構築が急務です。
AISA Radio ALPSでは、AI音楽の法的リスクと最新技術のバランスについて、これからも分かりやすく解説していきます。AIで音楽を作る際、あなたの「意図」はどのように権利として保護されるのか、ぜひ一緒に考えましょう。
