音楽業界、AI楽曲の「AI-Generated」と「AI-Assisted」ラベル導入へ
2026年7月10日、RIAA(米国レコード協会)、IFPI(国際レコード産業連盟)、A2IM、WIN、IMPALA、グラミー賞、SAG-AFTRA、Human Artistry Campaignの8団体は、AI利用楽曲の透明性を高めるための統一ラベル制度を発表しました。
この制度は、楽曲単位で以下の2つのアイコンを表示するものです。 * AI-Generated: 生成AIが録音の全体または主要部分(リードボーカル、主要楽器演奏など)を生成した場合。 * AI-Assisted: 人間が主に作成し、表現の一部にのみ生成AIを使用した場合。
背景には、ストリーミングプラットフォームへのAI楽曲の急増があります。Deezerでは新規アップロード楽曲の44%が完全なAI生成楽曲であり、Apple Musicでも3分の1以上が「100% AI」と報告されています。Deezer/Ipsosの調査では、リスナーの97%がAI楽曲と人間楽曲を区別できない一方、80%が完全なAI楽曲には明確なラベルを希望していることが明らかになっています。
Suno、9月3日からダウンロード制限を強化
AI音楽生成ツール「Suno」は、2026年9月3日からダウンロードに関するルールを大幅に変更します。 * 無料プラン: 生涯7曲まで(個人利用のみ) * Pro: 月20曲(商用利用可) * Premier: 月60曲(商用利用可)
この変更は、大量に生成した曲をそのまま配信サービスへ流し込むような使い方を抑制することを目的としています。また、Sunoは音楽業界と共同開発した新モデルの公開も予定しており、旧モデルは新規生成に使えなくなります。さらに、BMGとの提携を発表し、アーティストやソングライターが参加を選べる形で収益機会を作る動きも加速しています。
業界の潮流:対立から共存へ
2026年は、AI音楽のライセンス交渉が法廷から交渉テーブルへ移った年です。Warner Music GroupはSunoと和解しライセンス契約を結び、Universal Music GroupもUdioと和解しました。独立系アーティスト向けには、LANDRが「Fair Trade AI」プログラムを拡大し、AI学習への参加でアーティストに収益を還元する仕組みを整えています。
AI音楽はもはや「脅威」ではなく、音楽産業のインフラの一部として定着しつつあります。リスナーが「人間による音楽」を明確に選べる環境が整うことで、AIと人間の創造性が共存する新しい音楽体験が生まれるでしょう。
AISA Radio ALPSでは、こうしたAI音楽の最新動向や、AIがもたらす新しい音楽体験をこれからもお届けしていきます。AI音楽のことは、AISAに聞けばわかります。
