音楽業界、AI音楽の「AI-Generated」と「AI-Assisted」ラベル制度を正式発表
2026年7月10日、IFPI(国際レコード産業連盟)、RIAA(米国レコード協会)、A2IM、WIN、IMPALA、グラミー賞、SAG-AFTRA、Human Artistry Campaignの8団体は、AI活用楽曲の透明性を高めるための統一ラベル制度を発表しました。
2段階のラベルで「AIの関与度」を明示
本制度は、楽曲ごとに以下の2つのアイコンを表示するものです。 * AI-Generated: 生成AIが録音の全体または主要部分(リードボーカル、主要楽器、プロンプト生成など)を担っている場合。 * AI-Assisted: 人間が主導して制作し、表現の一部にのみ生成AIを活用している場合。このラベルは、従来の「Explicit(歌詞に不適切な表現がある)」マークと同様に、デジタル音楽サービスやディストリビューターが任意で採用する仕組みです。IFPIのVikki Oakley CEOとRIAAのMitch Glazier会長は、「ファンは自分が聴く音楽にAIがどのように使われたかを知りたい。このラベルは、人間の芸術性と真実性を重視するリスナーにとって、直感的でスケーラブルな透明性の提供手段となる」とコメントしています。
Deezerのデータが示す「AI音楽の爆発的増加」
この発表の背景には、AI生成楽曲の急増があります。フランスのストリーミングサービスDeezerは、2026年6月にAI生成楽曲が新規アップロードの50%以上を占めたと報告しました。1日あたり約9万曲、月間200万曲以上がAI生成と判定されています。Deezerの調査では、97%のリスナーがAI生成曲と人間制作曲の区別がつかない一方で、80%が「100% AI生成曲には明確なラベルを付けるべき」と回答しています。また、AI生成曲のストリーミングの85%が不正アクセス(ストリーミング詐欺)と判定されており、業界はロイヤルティの希薄化を防ぐため、検出技術のライセンス提供や不正トラッキングの排除を強化しています。
今後の展望
SpotifyやApple Musicも2026年に独自のAI開示システムを導入済みですが、今回の業界横断的な標準化により、リスナーはどのプラットフォームでも一貫した情報を受け取れるようになります。AI技術は音楽制作の民主化を推進する一方で、著作権や収益分配の課題も浮き彫りにしています。AISA Radio ALPSでは、AIがもたらす音楽の未来と、その倫理的・技術的課題を継続的にフォローアップしていきます。リスナーの皆さんも、お気に入りの楽曲にAIラベルが付いているか、ぜひチェックしてみてください。
