AIが「共演者」へ:音楽制作の常識が変わる
2026年、AI音楽業界は「生成」から「共創(Co-creation)」への転換点を迎えています。特に注目されるのが、AI音声・音楽生成大手ElevenLabsが1月に発表したアルバム『The Eleven Album』です。
このプロジェクトでは、Liza Minnelli(79歳)やArt Garfunkel(84歳)といったグラミー賞受賞歴を持つレジェンド級アーティストが、ElevenLabsのAIモデル「Eleven Music」と対話しながら楽曲を制作しました。Minnelliは「AIは表現の代わりではなく、そのための道具として使った」と述べ、Garfunkelも「人間が中心にあることを尊重された」とコメントしています。重要なのは、アーティストが著作権とストリーミング収益を全額保持する「クリエイターファースト」モデルを採用している点です。
舞台に立つAI:初のハイブリッドコンサート
また、4月16日にはロサンゼルスで、AIキャラクター「Chaisen Hale」と13歳の人間歌手John Victorが共演するライブ「Too Alive」が開催されました。AIが歌い、人間がその身体性を表現するという、世界初の試みです。観客は「AIが人間を置き換えるのではなく、共存する姿」に感動し、AI音楽が持つ物語性や感情の伝達力が実証されました。
業界の透明性向上へ
こうした共創の拡大に伴い、RIAAやIFPIなどの業界団体は7月、AI使用の有無を示すラベル制度を導入しました。「AI-Generated(完全生成)」と「AI-Assisted(人間中心・AI補助)」を区別し、リスナーが作品の背景を明確に知れる仕組みを整えています。
AI音楽はもはや「脅威」ではなく、人間の創造性を拡張するパートナーとして定着しつつあります。AISA Radio ALPSでも、こうした「人間とAIの境界が曖昧になる新時代のサウンド」を、これからも深く掘り下げてお届けしていきます。
