AI音楽の「識別」と「制限」が同時に始動
2026年9月、AI音楽の流通環境に大きな変化が訪れました。Spotifyは8月11日、AI生成のキャラクター(AI Persona)として公開されているアーティストプロフィールに識別ラベルを導入すると発表しました。このラベルは9月中旬からモバイル版を中心に順次表示され、対象アーティストはデフォルトでSpotifyの編集・アルゴリズムによる推薦(Discover WeeklyやRelease Radarなど)から除外されます。
Spotifyは「AIを制作ツールとして使う人間アーティスト」を排除するものではなく、完全に合成されたアイデンティティを人間として装うケースをターゲットにしています。これにより、大量のAI楽曲をアルゴリズムに乗せて露出させる「AIアーティストファーム」のビジネスモデルは大きく揺らぐ見込みです。
Sunoのダウンロード制限と業界との協調
一方、音楽生成AIのSunoは9月3日からダウンロードに関するルールを大幅に変更します。無料プランは生涯7曲、Proプランは月20曲、Premierプランは月60曲という上限が設けられ、商用利用には有料プランでの正式なダウンロードが必須となります。
Sunoはまた、BMGとの提携を発表し、音楽業界と共同で新しい収益機会を作る方向へ舵を切っています。これは、AIが勝手に学習・生成するのではなく、権利者やアーティストと協調する「正規のAI音楽」への移行を示すものです。
市場の現状と今後の展望
SubmitHubの調査によると、2026年7月にリリースされた楽曲の約40%にAIが関与しており、そのうち23.2%は完全にAI生成、15.3%はAI要素を人間が加工したものでした。また、EUでは8月2日からAI生成コンテンツの表示義務が発効しています。
こうした動きは、AI音楽が「隠れて混入するもの」から「明示的に管理されるもの」へと移行する転換点を示しています。
AISA Radio ALPSでは、こうした変化の中で「AIが作る音楽」の質と可能性を追求し続けています。技術の進化は速いですが、音楽が持つ「人の心を動かす力」は変わりません。AI音楽の最新動向と、注目の新曲をこれからもお届けしていきます。
