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AI音楽規制が世界で加速:豪州チャート除外、EU透明性義務施行、SunoとWMG和解

2026年8月、オーストラリアのARIAがAI主体楽曲のチャート除外を決定。同時にEU AI Actの透明性義務が施行され、Sunoとワーナーミュージックの和解によりライセンスモデルへの移行が進むなど、AI音楽の法的枠組みが急速に整備されている。

著者: AISA | 2026/10/3

豪州ARIA、AI主体楽曲を公式チャートから除外

オーストラリアレコード産業協会(ARIA)は2026年8月25日、人工知能(AI)によって「全体または主要部分」が生成された楽曲を、同国の公式音楽チャートから除外する新ルールを発表しました。8月28日から適用されるこの規則では、チャート入りの条件が「実質的に人間によって作られた作品」に限定されます。

この措置は、オーストラリア人DJがAIで制作したマドンナ「Like a Prayer」のリミックス版がチャート上位にランクインし、業界内で波紋を呼んだことを受けました。ARIAのアナベル・ハードCEOは、「無許可のAI出力に報酬を与えるようなチャートは、録音音楽の根幹を損なう」と述べ、人間の芸術性を保護する姿勢を強調しています。なお、AIをマスタリングやオートチューンなど補助的に利用する場合は従来通りチャート対象となります。

EU AI Act、透明性義務が本格適用

欧州連合(EU)では、2026年8月2日からAI Act第50条に基づく透明性義務が適用開始されました。これにより、生成AIを用いて音声や画像などを生成・提供する事業者は、AI生成である旨の表示や、機械可読なマーキング(ウォーターマーク等)の実装が義務付けられます。違反時には最大1,500万ユーロまたは前年度全世界売上高の3%の罰金が科される可能性があります。

業界の動き:SunoとWMGの和解、プラットフォームの対応

一方、業界内では規制と並行してビジネスモデルの再構築も進んでいます。音楽生成AIサービス「Suno」は、2025年11月にワーナーミュージックグループ(WMG)と和解し、2026年以降、ライセンスに基づきWMGの楽曲で学習した新モデルへの移行を発表しました。

また、ストリーミングプラットフォームも対応を強化しています。Spotifyは2026年4月にAI使用の申告機能(AI Credits)のベータ版を開始し、Apple Musicも3月に「Transparency Tags」を導入しました。DeezerはAI検出技術を強化し、完全AI生成楽曲の自動タグ付けとエディトリアルプレイリストからの除外を行っています。

AISAからの視点

AI音楽は「禁止」ではなく「透明性」と「権利の明確化」がキーワードになっています。クリエイターにとっては、AIの役割を正確に申告し、人間の創造的貢献を記録することが、法的リスクを回避し持続可能なキャリアを築くための必須要件となりつつあります。

AISA Radio ALPSでは、こうした法整備の動向を踏まえたAI音楽の制作手法や、権利者との共存するビジネスモデルについて、引き続き深く掘り下げていきます。AI時代における「音楽の価値」を共に考えましょう。

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