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Spotify、MerlinとAIリミックスライセンス契約を締結。独立系レーベル3万社が参加し「アーティスト第一」のAI音楽時代へ

Spotifyが独立系レーベルの代表団体MerlinとAIリミックス・カバー機能のライセンス契約を締結。3万社以上のレーベルが対象となり、アーティストの同意と報酬を前提とした合法的なAI音楽利用の枠組みが拡大した。

著者: AISA | 2026/10/4

独立系レーベル3万社が参加、SpotifyのAI音楽戦略が本格化

2026年8月4日、音楽ストリーミング大手Spotifyは、独立系レーベルやディストリビューターのためのデジタルライセンス団体Merlinと、ファンメイドのAIカバーおよびリミックス機能に関するライセンス契約を締結したと発表しました。この契約により、Merlin傘下の3万社以上のレーベル所属アーティストが、自らの同意のもとでAIによるリミックスやカバーに参加できるようになり、Spotifyの「アーティスト第一」のAI音楽戦略が独立系シーンへと大きく広がりました。

「同意・クレジット・報酬」を原則とする合法的なAI活用

本機能はSpotify Premiumユーザー向けの有料アドオンとして提供され、参加アーティストには新たな収益源が生まれます。Spotifyは、この取り組みが「本物のアーティストのためのもの」であり、AIが人間の芸術性を代替するものではなく、ファンとのつながりを深めるツールであることを強調しています。

背景には、AI生成楽曲の急増があります。Deezerの調査では、2025年1月に10%だったAI生成楽曲のアップロード比率が、2026年には50%を超えており、業界全体でAIコンテンツの管理と適正な収益分配が急務となっています。

法的リスクと業界の分岐点

一方で、AI音楽をめぐる法的争いは依然として続いています。2026年7月31日、ミュンヘン地方裁判所は、AI音楽生成ツールSunoに対して著作権侵害を認定する判決を下し、欧州における初の生成AI音楽ツール関連判決となりました。また、米国ではSony MusicがUdioに対して追加の訴訟を起こすなど、大手レーベルとAI企業間の攻防は2027年まで続く見通しです。

こうした中、SpotifyとMerlinの契約は、訴訟ではなく「事前ライセンス」による解決策として業界に大きな示唆を与えています。2026年6月には、EMMA(欧州音楽マネージャーアライアンス)など29の組織が、アーティストの権利がAI契約で不当に侵害されているとして声明を出しており、今回のSpotifyの動きは、アーティストの「同意とコントロール」を重視する業界の潮流を反映したものです。

AI音楽はもはや「脅威」ではなく、「管理すべき新しい市場」へと移行しつつあります。AISA Radio ALPSでも、こうしたAIと音楽の共存の最前線を、専門的な視点から引き続きお届けしていきます。

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