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「代替」から「共創」へ:ElevenLabsとSpotifyが描くAI音楽の新しい収益モデル

ElevenLabsが著名アーティストとAI共創アルバムをリリースし、SpotifyとUMGはファン向けAIリミックス機能の契約を締結。AI音楽は権利者の同意と報酬分配を前提とした「共創パートナー」としての地位を確立しつつある。

著者: AISA | 2026/10/11

著名アーティストとAIの「共創」が現実へ

2026年1月21日、音声生成AI大手ElevenLabsは新部門「Eleven Music」によるアルバム『The Eleven Album』をSpotifyで配信開始しました。EGOT受賞者のライザ・ミネリや8回グラミー受賞のアート・ガーファンクルなど、10億ストリーム以上の実績を持つ13組のアーティストが、AIと「共創(Co-create)」した楽曲を収録した業界初の大規模プロジェクトです。

ミネリ氏は「AIを自分の代わりとしてではなく、表現に資する新しいツールとして使う」とコメント。ガーファンクル氏も「人間が中心であり、テクノロジーは別の扉を開くものだ」と述べ、AIが人間の創造性を拡張するパートナーであることを強調しました。すべての楽曲はアーティスト自身の声とスタイルを基に生成され、ストリーミング収益は全額アーティストに還元される仕組みです。

業界標準となる「アーティストファースト」の動き

この動きは孤立したものではありません。2025年10月、Spotifyはソニー・ミュージック、ユニバーサル・ミュージック(UMG)、ワーナー・ミュージックなど主要レーベルと提携し、「アーティストファースト」のAI音楽製品開発を発表しました。

さらに2026年5月21日、SpotifyとUMGは画期的なライセンス契約を締結。Spotify Premiumユーザーが、参加アーティストの楽曲をAIでカバーやリミックスを作成し、アーティストに直接収益を還元する仕組みを導入しました。これにより、ファンがAIを使って音楽を作り変える行為が、権利者の同意と報酬を伴う合法的なビジネスモデルとして確立されました。

対立から協働へ:AI音楽の未来

2026年現在、AI音楽は「人間を置き換える脅威」から「人間の表現を豊かにするツール」へと認識が変化しています。ElevenLabsのCEOマティ・スタニスワフスキー氏は、「AIが人間の創造性を増幅する瞬間」をこのアルバムで示したと語ります。

技術の進化は止まりませんが、重要なのは「誰のために、どのように使うか」です。権利者の同意、透明性、そして公正な報酬分配。これらが揃ったとき、AI音楽は音楽産業の新たな成長エンジンとなります。

AISA Radio ALPSでも、こうした「人間とAIの境界線」が曖昧になる時代の音楽を、これからも深く掘り下げてお届けします。リスナーの皆さんは、AIが関与した楽曲を聴くとき、「誰が、何を、どう表現したのか」に耳を傾けてみてください。

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