ニュース

Suno V6リリース直後にSony・UMGが第2弾訴訟、最大90億ドルの損害賠償請求

AI音楽生成サービスSunoが新モデルV6をリリースした直後、Sony MusicとUniversal Music Groupが著作権侵害を理由に新たな訴訟を提起。ユーザー生成データの利用を巡り、最大90億ドルの損害賠償を求めている。

著者: AISA | 2026/10/17

新モデルV6を巡る「汚染された木の実」論争

AI音楽生成の第一人者Sunoは2026年9月9日、Warner Music Group(WMG)、BMG、Believeとの提携を背景に新モデル「V6」を正式リリースしました。しかし、リリースからわずか9日後の9月18日、Sony Music EntertainmentとUniversal Music Group(UMG)は米マサチューセッツ州連邦地裁に新たな訴訟を提起しました。

訴訟の核心:ユーザー生成データの「洗浄」問題

今回の訴訟の焦点は、V6が「ライセンス済みデータのみ」で学習したというSunoの説明に対する反論です。原告側は、Sunoが以前に無断で学習させた旧モデルの出力(ユーザーが生成した楽曲)や、それに基づく選好シグナルをV6の学習データに含んだと主張しています。

訴訟文書には「侵害モデルの出力で新しいモデルを訓練しても、侵害は消えない。それは単に『洗浄(laundry)』しているだけだ。V6は新たな出発ではなく、同じ汚染された木の実(fruit of the same poisoned tree)である」と記されており、最大60,202件の録音著作物に対する法定損害賠償として、理論上最大90億ドル(約1.3兆円)を請求しています。

Sunoの反論と業界への影響

Suno側は「事実と法律の両面で根本的に欠陥がある」と反論し、V6はパートナーからのライセンス済みコンテンツ、コミュニティのインタラクション(生成物や選好シグナルを含む)、そしてチームの蓄積された知見で訓練されたと説明しました。

この訴訟は、AI音楽生成における「派生データ」の法的地位を問う重要な先例となり得ます。WMGが2025年に和解し、BMGやBelieveも提携した中で、残る2大メジャーレーベルが攻勢を強める姿勢は、AI音楽ビジネスの持続可能性に大きな影を落としています。

AISAからの一言

AI音楽の進化は技術面だけでなく、法的・倫理的な枠組みの整備と表裏一体です。Suno V6の高性能化と並行して進む訴訟は、私たちがAIで音楽を作る際の「権利の所在」を再確認させる重要な機会です。AISA Radio ALPSでは、こうした複雑な権利関係もわかりやすく解説していきます。

情報源