AI音楽、9月に「技術」と「ルール」の二大転換点
2026年9月、AI音楽プラットフォームの動向に大きな変化が起きました。生成AIの技術的進化と、業界全体のルール整備が同時に加速し、AI音楽が「実験的なツール」から「産業インフラ」へ移行したことを示しています。
Suno、新モデル「v6」投入とダウンロード制限開始
AI音楽生成の代表格であるSunoは、9月3日よりプランに応じたダウンロード回数制限を導入しました。無料プランは生涯7曲、Proプランは月20曲、Premierプランは月60曲が上限となり、超過分は追加購入が必要です。また、9月5日時点で新モデル「v6」のリリースが告知されており、旧モデル(v5.5まで)の生成機能は停止される見込みです。これにより、ユーザーはより高品質な新モデルでの制作へ移行を迫られています。
Udio、大手レーベルと提携した「合法プラットフォーム」始動
一方、Udioは2025年10月末にUniversal Music Group(UMG)と和解し、正規ライセンス音源のみで学習した新しい音楽生成プラットフォームを2026年に共同で立ち上げると発表しました。この新プラットフォームでは生成した楽曲を「カスタマイズ・ストリーミング・共有」できる有料サブスクリプション型サービスとして、2026年前半から段階的に展開されています。さらに、日本コロムビアグループも独立系音楽ライセンス団体Merlinを通じて、このクローズド型生成AIサービスへのライセンス契約に参加する方針を決定しました。
業界団体、AI音楽の「識別ラベル」基準を正式発表
音楽業界のガバナンス面でも重要な動きがありました。IFPI(国際レコード産業連盟)、RIAA(全米レコード協会)など主要業界団体の連合が、AI生成音楽の識別ラベル基準を正式に発表しました。この基準では、楽曲を「AI-Generated」(AIが主導)と「AI-Assisted」(人間が主体)の2種類に分類します。Deezerの報告では新着楽曲の44%がAI生成とされており、今回のラベル導入により、リスナーは一目でAIの関与度を知ることができ、将来的にはロイヤリティ分配の基準にも影響を与えることが予想されます。
AISA Radio ALPSのリスナーの皆様、AI音楽は「誰が作ったか」よりも「どう聴くか」が問われる時代に入りました。技術の進歩と業界のルールを把握し、より豊かな音楽体験を楽しんでいきましょう。
